終わりが見えない会議の原因は、ズバリ「板書」をしていないからだ。本特集では日経SYSTEMSの過去記事を再編集。意見がサクサクとまとまる5つの板書術を習得しよう。

 なかなか意見が出なかったり、まとまらなかったりして、時間ばかりが過ぎていく。そんな終わりが見えない会議に参加していると、気持ちが沈んでいくものだ。

 だが、黙って会議に参加しているだけでは何も解決しない。あなたが行動を起こせば、終わりが見えない会議を打破できる。最初に、大手SIerのAさんが経験した、ある日の会議を再現してみよう。営業担当者に「トラブルが発生しているので助けてほしい」と依頼されて出席した会議だった。

“空中戦”で会議の趣旨がずれる

 会議の参加者は、ユーザー企業の担当者とベンダー3社(Aさんの会社、機器ベンダー、保守ベンダー)の担当者。ユーザー側とベンダー側に分かれて、2つの机をはさんで向かい合うように座っていた。

建設的な意見が出ない会議が板書で変わる
[画像のクリックで拡大表示]

 会議のテーマは「システム障害時の復旧策」だった。新システムで採用した機器にエラーが頻発して障害を引き起こしていたのである。根本的な原因は突き止められていない。本稼働までに時間の余裕はなく、別の機器を選び直すのも難しい。そこでシステム障害が発生した場合を想定し、早急に復旧する方法を検討する必要があった。

 しかし、会議は口頭での“空中戦”が繰り広げられ、本来の趣旨と違う方向に進む。復旧策を検討するよりも、障害の原因や責任を追及する場と化したのだ。ユーザー企業の担当者が「誰の責任だ」と機器ベンダーの担当者Bさんに迫る。これに気圧されたのか、Bさんは発言できなくなってしまった。

ホワイトボードのそばに立つ

 「このままでは復旧策が出てきそうにない」。そう考えたAさんは席を離れ、ホワイトボードのそばに立って参加者に呼びかけた。「この場ではシステム障害時の復旧策を検討しましょう」。

 参加者の視線はAさんに移った。その様子を確認したAさんは、ホワイトボードの左側に「検知」「調査開始」「解析」「判断」「交換、対処」「復旧」と書き出した。続いてそれらを指し示し、「これが障害発生から復旧までのプロセスです。復旧を早めるために、それぞれのプロセスでどんな対策を打てますか」と参加者に問いかけた。

 検知の項目を指してBさんに尋ねた。「検知プロセスではどんな手段が考えられますか」。Bさんが「障害発生を検知するツールがあります」と答える。Aさんはにっこりとうなずき、ホワイトボードに「検知ツール」と書き留めた。先ほどまで発言に窮していたBさんが意見を述べたことがきっかけとなり、他の参加者も続いて復旧案を発言し始めた。

書くことで「見える化」される

 Aさんはホワイトボードのそばに立ち続け、出てきた案の細部を確認した。例えば、ユーザー企業の担当者が「故障原因を特定する作業には時間がかかる。代替機を用意して丸ごと交換するのが早いのではないか」と発言した。Aさんは「そうですね。代替機を利用する際の作業を洗い出してみましょう」と答え、作業手順を書き出した。「(故障機を)ラックから外す」「(代替機を)ラックに入れる」「OS設定」といった具合である。

 ホワイトボードに書くことで作業手順が「見える化」された。すると代替機を強く推していたユーザー企業の担当者に納得の表情が浮かんだ。「そうか。代替機をセットするのも相応に時間がかかるんだね。他の方法も考えるべきだ」。こうして参加者の間で一体感が生まれ、障害対策をより詳細に検討できるようになった。

 この後も復旧案の発言が続き、Aさんはそれらを次々とホワイトボードに書き留めていく。しばらくすると各プロセスに主要な意見が出そろい、システム障害時の復旧策が固まった。

この先は日経 xTECH Active会員の登録が必要です

日経xTECH Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。