国税に関わる書類を電子データとして保存する方法などを定めた「電子帳簿保存法」。これに対応することで経理作業の効率化、ペーパーレス化、働き方改革の推進などにつなげる企業が増えている。2019年度からは書類のスキャン期限が緩和される見通しで、業務実態に即した法改正が進む。加えて、ツールの使い勝手も上がっている。電子帳簿保存法対応の最前線を追った。

 「税務調査などの際に数年分の段ボール箱の中から特定の経理書類を探し出すのは重労働だった」。人材サービス大手のパーソルホールディングス(HD)、グループ財務本部グループ財務部プロジェクト推進室の中山龍太郎氏はこう振り返る。

 同社は2017年からグループ全体で電子帳簿保存法への対応を進めてきた。対象業務は社員による経費申請後の経理承認から文書保管、破棄までである。同社の会計システムと電子帳簿保存法に対応した文書管理ツールを組み合わせることで、これまで紙で長期間保管していた領収書や請求書といった書類を電子データとして保存できるようにした。

 2019年4月時点で国内のグループ企業36社のうち25社が対応を終えている。25社の社員数は合計で約3万人。経費精算に伴って発生する書類は年間約57万6000枚に上るという。

パーソルHDの電子帳簿保存法への対応による経理部門にとっての効果
(検索画面の出所:パーソルHD)
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 電子帳簿保存法に対応したことで、書類の管理について大きく2つの効果があった。

 1つは仕訳や取引の証拠として必要な書類をシステムで素早く検索し参照できるようになったことだ。従来、経理関連の書類は段ボール箱に詰めて外部の倉庫に保管しており、書類の作成年月を基に該当するものを人手で探していた。書類のピックアップを依頼してから必要な情報が届くまでに1週間程度掛かることもあったという。

 新システムでは書類が全てスキャンデータになっているので、「支払先」「金額」といった様々な条件で検索して画面で内容を参照できる。

 もう1つは、膨大な紙の書類を大幅に減らせるメドが立ったことである。国税関係書類は7年以上の保管が法律で義務付けられている。パーソルHDでの書類の量は1年間で段ボール約200箱に及ぶ。7年分では約1400箱になる。電子帳簿保存法に対応したことで、同法で義務付けられている定期検査の後に紙の書類を廃棄できるようになった。

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