ネットワークを動かす基本原理であるプロトコルは、ネットワーク技術の進歩と共に移り変わってきた。だがそこには、電気通信の黎明(れいめい)期に作られた規格のエッセンスが今なお息づいている。新しい技術の本質を捉えるためにも、懐かしのプロトコルを振り返ってみよう。

 「ベーシック手順」は、コンピュータ間でキャラクター(文字)を送受信するためのプロトコルである。ベーシック手順での送信単位は、1個ないし複数個のキャラクターに限られる。つまり、ベーシック手順はキャラクター送信に特化したプロトコルと言える。

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 ベーシック手順の正式名称は「基本形データ伝送制御手順」で、日本規格協会が日本工業規格(JIS)の1つとして1975年に制定した。このプロトコルは、同年に国際標準化機構(ISO)が策定した国際標準プロトコル「ISO 1745:1975」に若干の変更を加えたものだ。さらに言うと、このISO 1745:1975の仕様もオリジナルではなく、米IBMが開発した独自プロトコル「BSC」(Binary Synchronous Communications:Bisync)をベースにしている。

 ベーシック手順は、大型コンピューターを中心にした企業のデータ通信に幅広く使われた。とくに銀行や流通業では、このベーシック手順を組み込んだプロトコルを長い間利用してきた。オンラインシステムが始まった頃、企業向けデータ通信で最もよく利用されたプロトコルがベーシック手順である。

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