ネットワークを動かす基本原理であるプロトコルは、ネットワーク技術の進歩と共に移り変わってきた。だがそこには、電気通信の黎明(れいめい)期に作られた規格のエッセンスが今なお息づいている。新しい技術の本質を捉えるためにも、懐かしのプロトコルを振り返ってみよう。

 「JCA手順」は、流通業界向けに受発注データをやりとりするために作られたプロトコルである。チェーンストアの本部と問屋などの取引先との間で伝票データをやりとりする目的で開発された。

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 1970年台後半、チェーンストアと取引先の間の受発注データは、紙の伝票、フロッピーディスク、磁気ディスクの形で、手渡しで交換されていた。しかし、このやり方ではコストが高くつくため、チェーンストア業界は受発注のオンライン化に迫られていた。そこで、日本チェーンストア協会(JCA)は、受発注データをやりとりする標準プロトコルとして、JCA手順を1980年に制定した。

受発注のためのデータ形式は、標準のデータ交換フォーマットがそのまま使われている。なお、実際の規格書ではOSI参照モデルに準拠した形でプロトコルが記述されているが、ここではセッション層、プレゼンテーション層はアプリケーション層に含める形で省略した。※1)仕様の一部にベーシック手順が含まれている。またBSC手順はセッション層とプレゼンテーション層を含む ※2)トークン・バス、トークン・リング、FDDIも定義されている
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 物理層の仕様としては、当初は2400ビット/秒の電話回線用モデムを採用、後に9600ビット/秒のDDX-C回線を追加した。伝送手順にはBSC手順を利用している。

 BSCのフレームで運ぶメッセージとしては、伝票データの内容を示す「データ電文」と、制御用の「制御電文」の2種類が定義されている。伝票データのフォーマットは、「JCA手順オンライン標準データフォーマット」として1982年に決められた。このフォーマットでは、企業コード、商品コード、発注内容、仕入・売価単価などのフィールドが定義されている。

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