工場、建設現場、オフィスなど、さまざまな現場での自動化が進んでいる。古くは工場の機械化、新しいところでは人間が行ってきた業務の人工知能(AI)による代替まで、人件費がかかる人間の作業が機械やソフトウエアに置き換えられている。下図の「自動化を進める理由」としては、「人手不足の解消」が多く、背景に世界的な人件費の高騰や、国内の人手不足があることが分かる。

図1 自動化を進める理由
出典は、近岡裕、「人手不足の解決だけに終わらせない、工夫加えた自動化が競争力の源泉に」、日経クロステック/日経ものづくり(2018年8月)。情報収集サービス「日経TechFind」にて、「自動化」「人手不足」で調査して得た結果の一部。
[画像のクリックで拡大表示]

 ただし工場の自動化など、少なくない初期投資を必要とする領域においては、人件費の削減だけを目的とする自動化には厳しい目も向けられている。図1の出典は以下のように述べる1)

大抵の企業は人件費の削減分を自動化設備の投資に回そうとする。その投資回収期間はせいぜい2.5~3年だ。それ以上になると費用対効果は見込めないと判断する企業が多いようである。中には、より厳しく「単なる人の置き換えなら1年で投資回収せよと現場に発破を掛けている」(ダイキン工業)という企業もあるほどだ。

移行措置としての無人・遠隔化

 自動化に近いテーマとして、遠隔による無人化がある。作業を行うためのインテリジェンスを機械やソフトウエアに一任することはまだできないが、人間の労力や危険を低減するために、「遠隔にある人間のインテリジェンス」の下で作業を行うケースだ。

 例えば、熊谷組と東京工業高等専門学校は、遠隔操作するオペレーターが建設機械の傾きや振動をリアルタイムで感じられる「無人化施工VR技術」を共同で開発(図2)。2020年度の現場での活用開始を目指している2)

図2 無人化施工VR技術で建設機械を遠隔地で操作する様子(写真:熊谷組)
出典は、河合祐美、「遠隔操作室が重機の動きとシンクロ」、日経クロステック/日経コンストラクション(2020年1月)。情報収集サービス「日経TechFind」にて、「遠隔操作」で調査して得た結果の一部。
[画像のクリックで拡大表示]

 遠隔にいる人間が間違いなく作業するためには、現場の状況確認や作業指示が遅延なく行われなければならない。そのため、2020年に国内でサービス提供が開始される5G通信の用途としても、機械の遠隔操作は期待されている(図33)。完全自動に向けた移行措置として遠方にある人間のインテリジェンスを活用した施策を採るケースも増えそうだ。

図3  5Gの低遅延は様々な分野で活用される可能性がある(写真:NTTドコモ)
出典は、根本浩之、「速いだけではない、5Gの3大メリット」、日経クロステック/日経NETWORK(2018年3月)。
[画像のクリックで拡大表示]

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。