システム開発の現場にSlackの導入を進める企業は、Slackアプリで社内外のサービスと連携したり、自作したボットを使ったりして開発生産性を向上している。ここでは、Slackを幅広く活用して効果を上げているアクセンチュアとディー・エヌ・エー(DeNA)の事例を見ていこう。

ボットがWBSやチケットを表示

 アクセンチュアではプロジェクト開始時に、Slackを利用すべきか、利用するならどんなボットを導入すべきか、連携するサービスは何を選ぶのか、といった開発環境をあらかじめ決めている。アジャイルPMOチームのメンバーが意見を出し合い、現場があらかじめツールをセットアップし、使い方を教える。

 アクセンチュア社内で開発されたボットは60以上。中でもユニークなのは、プロジェクトの進捗を管理するボットだ。プロジェクトメンバーがSlack上でコマンドを入力すると、ボットがRedmineなどのプロジェクト管理ツールからデータを取得し、進捗を表示する。ボットが表示するメッセージをクリックすれば、プロジェクト管理ツールに移動し、WBS(Work Breakdown Structure)やチケットなどを確認可能だ。毎日定時に進捗を表示すれば、プロジェクトの遅れを素早く検知し、対策を講じられる。プロジェクトマネジャーの役割である進捗管理の一部をボットが代行してくれるわけだ。

ボットを使いSlack上で進捗率を把握する
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 アクセンチュアには、投票機能を提供する「Polly」とSlackを連携させ、タスクの進捗状況を把握できるボットもある。アンケート回答の選択ボタンをタスク確認用に利用する。SlackからPollyを呼び出し、タスク名などが記述された選択ボタンを押すと、そのタスクの担当者や進捗状況などが表示される。コマンド1つでタスクを一覧でき、進捗状況の把握までSlack上で可能になるという。

 アクセンチュアの山根圭輔テクノロジーコンサルティング本部インテリジェントソフトウェアエンジニアリングサービス統括 マネジング・ディレクターはボットを有効活用するうえで「あらかじめシステム側に情報を取得するAPIを作ることが重要」と説明する。ボットが情報を取得するためのデータの受け渡し口を作っておき、JSON形式といったWeb技術ベースのデータをやり取りできるようにしておく。

 山根マネジング・ディレクターは「Slackのボット開発は難しくない」と指摘する。「Qiita」や「Stack Overflow」などの技術サイトに様々な開発事例が紹介されているからだ。山根マネジング・ディレクターは常日ごろから有用なボットがないかを確認し、プロジェクトに使えそうなものがあればSlack上に共有している。

 エンジニアが開発したボットはアクセンチュア社内のセキュリティーポリシーなどと照らし合わせ、プロジェクト限定で利用するか、または全社で利用するかを決めている。

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