システム開発の現場では、働き方改革などによりリモートオフィスのエンジニアと共同開発することが増えている。そうした現場でも、ビジネスチャットツールのSlackを有効活用できる。ただし運用次第では、かえって開発が非効率になってしまうこともある。事例を基にSlackで開発効率を高める術を学ぼう。

 スマートスピーカーで議事録を作成するサービス「COET Record Meeting」を開発したTISの小西啓介サービス事業統括本部AI&ロボティクスビジネスユニットAI&ロボティクスサービス部主査はSlackを使って遠隔地をつなぎ、開発を進めた1人だ。小西主査は「ベンチャー企業やデザイン会社など外部とのコミュニケーションが多かった。離れていても設計書やデザインのレビューなどがやりやすい」とSlackを採用した理由を説明する。

 アジャイル開発手法を採用した同プロジェクトでは、毎日の仕事終わりにSlackを使って夕会を開いていた。その日に作業した内容を振り返り、次の日の開発に生かすためだ。本来なら夕会はスタンドアップミーティングを開きたかったがチームメンバーが遠隔地にいるため、対面でやり取りできない。そこでSlackを使うことにした。

 小西主査はSlackとビデオ会議ツールを併用し、会議時間を短縮した。Slack上のミーティングは最初のうちは順調に進んだ。ところが使い方に慣れてくると、夕会の時間が2倍以上に延びるという課題が発生した。Slackを活用し、画面共有しながらその日の作業を振り返っていたが、画面の説明をしてしまいチームメンバーからひっきりなしにメッセージ届く。結局、大量のメッセージで夕会の時間が延びてしまった。

 そこで夕会時間を短縮するため、ビデオ会議ツールのZoomを使ってコミュニケーションを補うことにした。資料だけを先にSlack上にアップロードし、夕会では各自がビデオ会議で資料を説明するだけにした。

SlackとZoomで会議を短時間で終える
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 Slackと組み合わせて利用するビデオ会議ツールは、会議の効率を高めるうえでの必須アイテムとなっている。小西主査は、「ビデオ会議ツールを併用することで、50分ほどかかっていた夕会の時間を20分程度に短縮できた」と話す。

 またプロジェクトでは、開発を円滑に進めるためメンバー1人ひとりの専用チャンネルを作成することにした。取り組んでいることや悩んでいることなどを専用チャンネルに記述する。いわば、個人のつぶやきチャンネルである。ただし、急を要する発言はしない。

 困ったことがあれば、答えを持ってる人が聞いたほうが早い。だが、忙しいメンバーにやたら質問するわけにもいかない。そこでチームメンバーは空いている時間にこのチャンネルを閲覧してもらうことにした。詳しい情報を知っている人がチャンネルの発言主に伝えることで「相談相手の時間を奪うことなく解決につながる」(小西主査)という。

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