日経 xTECH Activeが2019年12月3日に開催した「BtoBセールス&マーケティングSummit 2019 in Osaka」で、基調講演に立った京都大学経営管理大学院 経営研究センター長・教授の若林 靖永氏は、「BtoBマーケティングのデジタル化」の考え方を提唱した。「デジタル時代のBtoBマーケティングは面白いですか?」と題した講演の中で、デジタル化を推進する企業は、分業と連係、そしてその先にある統合(integration)を進めることが重要であると説いた。

京都大学経営管理大学院 経営研究センター長・教授 若林 靖永氏
(撮影:行友 重治)
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 若林氏は、まずBtoBマーケティングを「『顧客は誰か』『顧客の問題は何か』『顧客の問題をいかに解決するか』にフォーカスしたソリューションを提案すること」と定義した。その上で、従来の営業主導型マーケティングの問題点を挙げた。

 多くの企業では、営業部門がマーケティングの役割を担い、担当者が独自に顧客にアプローチをしていた。しかしターゲット企業をセグメントするための設定が曖昧で、新規開拓のための顧客リストをうまく作成できないことが課題となっていたという。

 この課題を克服するには、営業部門とマーケティング部門とが「分業して連係する」ことが大切であるという。両部門の役割を明確にして、それぞれの部門にデジタルを組み込み、個々で機能を発揮する体制を構築するものだ。

 さらに、「それぞれの部門を連係させて、システムとして機能しながら共通の目標に向かうように全体最適化を図る。すなわち『integration(統合)』が求められる」と若林氏は強調した。BtoBマーケティングの世界では、「この分業と連係、そして『統合』をどう実践するかが大きな課題となっている」(若林氏)という。

アウトバウンドからインバウンドのマーケティングへ

 「統合」を進めるために必要なのが、BtoBマーケティングの“デジタル化”である。デジタル化とは、BtoBマーケティングにインターネットを活用することではない。「スマートフォンやSNSなどのデジタルを活用して情報を収集する顧客を中心に据えることだ」(若林氏)。

 これまでのマーケティングは、売る側が情報を握って顧客に売り込む「アウトバウンド」型が中心だった。ところがインターネット上に膨大な情報があふれ、顧客が自ら必要とする情報を探すようになった今は、顧客に見つけてもらう「インバウンド」型マーケティングの重要度が高まっている。「『お客様が主人公』という前提に立ち、押し付けではなく、顧客が欲しい情報を手に入れられるようにすることで、課題解決を図る必要がある」(若林氏)。

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