日経 xTECH Activeが開催した「BtoBセールス&マーケティングSummit 2019 in Osaka」で富士電機機器制御 事業企画本部プロモーション部 部長の大濵 一弘氏は、同社が導入したデジタルマーケティングの仕組みについて解説した。日経 xTECH Active 副編集長 松本 敏明との「デジタル×アナログで顧客開拓、FA機器メーカーが構築した営業基盤」と題した特別講演の中で、デジタルで可視化した顧客にアナログな側面が残る営業社員がアプローチする取り組みを紹介している。

富士電機機器制御 事業企画本部 プロモーション部 部長 大濵 一弘氏
(撮影:行友 重治)
[画像のクリックで拡大表示]

 対談の冒頭で大濵氏は、富士電機機器制御がデジタルマーケティングに取り組んだ経緯を説明した。企業向けにFA(ファクトリーオートメーション)機器などを販売する同社が、デジタルマーケティングに取り組み始めたのは2年前だったという。「お客様の購買プロセスの変化を感じたことが契機となった」(大濵氏)。

 一般的な企業の製品やサービスの購買プロセスには、「認知」「興味関心」「情報収集」「比較検討」という段階があるが、ここに大きな変化があったという。「営業社員が接触する以前に、お客様がWebサイトで製品の比較検討までを終わらせている。つまり知らない間に私たちの会社が『不戦敗になっている』可能性があることが分かってきた」(大濵氏)。

 その時点で同社のWebサイトは、ページビューが毎月50万PV、Webサイトからの資料ダウンロードが毎月10万件、技術相談窓口には1日平均400件もの問い合わせがあるほどの規模を誇っていた。しかし、これだけの潜在顧客との接点を営業活動にうまく活用できていなかった。

 この現実に気づいた同社がまず着手したのは、「顧客情報の資産化」だった。「Webでの接点がある『潜在顧客の情報』と、名刺情報など『顕在顧客の情報』を一元管理し、資産化することから始めた」(大濵氏)。

 その上で同社は2017年から2018年にかけてMA(マーケティングオートメーション)ツールとSFA(営業支援システム)によるデジタル基盤の構築を進める。このタイミングでWebサイトを会員制に切り替え、「トラッキング情報だけでなく、会社名や担当者の名前、メールアドレスなど『実名化された情報』をMAツールに集約する仕組みを構築した」(大濵氏)。

 さらに、企業情報を提供する外部サービスを活用し、Webサイトの会員が所属する企業の売上高や従業員数などの属性情報を付与した。この情報は、営業対象となる企業の絞り込みに活用できる。さらに展示会で集めた名刺情報をデジタル化して取り込む仕組みも整備し、「顧客情報の資産化を徹底した」(大濵氏)。

「休眠顧客」と「未攻略顧客」を可視化

 大濵氏は新たな営業基盤により、「営業社員が直接アプローチできていない潜在顧客を明確化できた」と話す。従来の営業活動領域は担当者が直接アプローチできる顧客までだが、その外側には「製品を売った実績はあるがニーズ・関心を把握できていない『休眠顧客』がいて、さらにその外側に販売実績のない『未攻略顧客』がいることが見えてきた」(大濵氏)。

この先は日経 xTECH Active会員の登録が必要です

日経xTECH Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。