「DX(デジタルトランスフォーメーション)の見積もりはなぜこんなに高いのか」――。DXに伴う開発費用に対して、こんな印象を持った人はいないだろうか。中には「妥当性を評価できない」「費用対効果が見えない」「経営層を説得できない」と戸惑うケースもあるかもしれない。

 戸惑うのは価格の高さだけではない。開発費用の「根拠」が曖昧な点も背景にあるようだ。ソフトウエア開発の見積もりに詳しいある専門家は「DXに関する見積もりは作業項目や工数があまり細かく明示されていないケースがある。さらにベンダーによって費用のバラツキが大きい点も、不信感が高まる原因ではないか」と指摘する。

「何を作るか」が曖昧なDX開発

 なぜこうした状況が生まれるのか。その理由は大きく2つありそうだ。一つはDXをめぐる見積もりプロセスの問題、もう一つは需給バランスの問題である。

 見積もりプロセスから見ていこう。そもそもソフトウエア開発の見積もりは「何を作るか」という成果物の規模がベースとなる。FP(ファンクションポイント)数やユースケースポイント数、プログラムのステップ数(LOC)などが規模の単位になるが、DXの開発ではこれらのメトリクスを適用しにくい事情がある。

 というのも、DXの開発では前例のない新たな領域を対象とする場合が多く、初期段階で「何を作るか」が曖昧なケースが少なくない。そのため規模の算出が難しく「成果物を曖昧にしたまま開発工数を見積もるのがほとんど。その過程で仕様を具体化する作業や試行錯誤を繰り返す作業、何かあった時のためのバッファーといった、ブレ幅の大きい作業が多く盛り込まれる傾向にある」(前出の専門家)という。

 成果物が曖昧なゆえに生じる問題だが、いわばリスクを回避するための作業が多く含まれれば開発費用は当然膨らんでいく。仕様がある程度固まっていた従来型の業務システムの見積もりとは明らかに異なる状況だ。これが見積もりプロセスに起因する問題である。

 一方、DXの見積もりが高いと感じさせる背景には、現在の需給バランスも関係しているようだ。デジタル変革はあらゆる企業・団体において喫緊の課題であり、多くの調査でもDXの取り組みが活発だと報告している。

 ところがDXの実現には基幹システムの刷新や連携、最新のデジタル技術の活用など高いノウハウや豊富な経験が求められ、対応可能なベンダーは決して多いとは言えない。つまり買い手が増える一方で売り手が少ないのが現在のDX市場なのだ。こうした需給バランスを背景にDX人材の単価は高騰し、開発費用も高額になっていく。AIを使った小規模システムが億単位になるケースも珍しくない。

DXの開発は「相見積もり」が常識

 ではこうした中で見積もりの妥当性を見抜くにはどうしたらよいのか。見積もりの根拠が曖昧でベンダーによってブレがある以上、DXでは「相見積もり」が常識と考えるのが原則だろう。

 しかしDXの開発ではこれまで付き合いのなかったベンダーに提案を依頼するケースも多く、発注先を探すのはひと苦労である。かといってWebサイトで検索したベンダーにいきなり提案を依頼するのもリスクがある。実績のあるベンダーを複数社洗い出し、各社に対して提案や相見積もりを依頼するのが望ましい。

 問題はDXの実績があるベンダーをどう探すかだ。そこでお薦めしたいのが、日経BPが提供する「提案依頼ポスト DX」である。現在8社のベンダーが参加しており、いずれもDXの開発経験が豊富だ。専用フォームに簡単な依頼内容を記入すれば後日、各社からあなたの会社に適した提案や見積もりを受けられる。

 デジタル社会が加速する今、DXへの取り組みは急務である。提案依頼ポスト DXはDXに取り組む企業をサポートするためのマッチングサービス。情報収集の場、発注先候補を手軽に探す場、そして適正な価格でDXを実現する場としてぜひ活用してほしい。