「イノベーションの起点は『ゲイン』か『ペイン』しかない。だが大きなゲインをもたらしたiPhoneを誰もが作るのは難しい。ほとんどの場合は『ペイン』に目を向けないと失敗してしまう」――。ある講演で、大手外資系ベンダーの著名技術者がこう語った。ゲインとは「得」、ペインとは「痛み」である。あえてイノベーションを「変革」と置き換えるなら、変革の起点は得と痛みである一方、多くの変革は「痛み」に目を向けるべきだという主張だ。

 確かに一理ある。どこにもない新たな価値(得)を生み出すのは至難の業だ。それなら目の前の痛みを劇的に解消した方が「変革」と呼べそうだ。では情報システムの場合はどうか。今はデジタルトランスフォーメーション(DX)花盛りだが、テーマとして掲げられるのは次のようなものだ。

  • 新規デジタルビジネスの創出
  • 収益の拡大・既存事業の成長
  • 既存業務の自動化・省力化
  • 高度なデータ活用・データ分析
  • 社内コミュニケーションの促進
  • 顧客接点の創出・拡大
  • 既存システムの強化・改善
  • IT関連コストの削減

 どれも前向きなテーマだが、いずれも突き詰めれば「痛み」の解消と言えそうだ。例えば「新規デジタルビジネスの創出」は既存のアナログ的なビジネスが停滞しているという痛みの解消であり、「顧客接点の創出・拡大」も既存の顧客接点の陳腐化という痛みの解消と言える。

 ペイン(痛み)の解消という視点を持てば、何を変えるべきかが明確になるはずだ。例えば新たな顧客接点の創出も、デジタル技術を使えば既存の顧客接点をベースに実現できるかもしれない。

 ただし難しいのは、こうしたテーマを設定してもそれをどう実現するかである。ペインに目を向けてもどう解消するかは別の話。特にDXの場合はデジタル技術の知識や経験が不可欠だ。そこで読者の皆さんに「DXの提案依頼」を大募集したい。

 ペイン(あるいはゲイン)を起点にしながら提案を依頼すると、複数のITベンダーがそれに応えてデジタル技術を使った解決策を提示するものだ。まだ案件として固まっていない、つまり自社のオフィシャルな提案依頼でなくてもよい。解決策の方向性や参考になる事例や技術情報、何より新たな気づきを得られるはずだ。

 提案依頼の方法は以下のリンクから「提案依頼ポスト DX」の専用フォームにアクセスし、簡単な質問に答えて送信するだけ。DXの推進には他社とのコラボレーションが不可欠だが、それを手軽に構築できる機会になるだろう。ここで得た知見をもとに、ぜひDXの推進を加速させてほしい。