前回と前々回の2回で、マーケティング組織の目標と役割を定め、メンバーの目標をジブンゴト化によって明確にするところを解説しました。ここまでが決まれば、あとは目標に向かってマーケティング活動を進めていくだけです。
ただし、しっかりと目標を定めたとしても、その達成に至るまでには多くの問題が噴出します。目標が高く困難であればあるほど、発生する問題の質も量も増え、成果を出すことが難しくなります。
「マネジメントの父」と呼ばれるピーター・F・ドラッカーは、マネジメントを「組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関」であると定義しています。では、マーケティング組織のマネジメントを任されたリーダーであるあなたは、メンバーを目標達成に導くために、どのような舵(かじ)取りをするべきなのでしょう。

今回は組織が成果を上げるマネジメントに欠かせない「組織活動のチェックモデル」を考えます。分かりやすくいえば、メンバーを目標達成に導くビジネスレビューの進め方といえるでしょう。具体的には、以下の3つの項目で説明します。
- バックキャスト
- リズム・オブ・ビジネスとレビューサイクル
- レビューの高密度化
1.バックキャスト
時間は未来から流れてくる
私がかつて所属した組織で、経営陣が口を酸っぱくして伝えていた言葉に、「時間は未来から流れてくる」というものがあります。
これは、「ある時点で達成すべき目標から逆算すると、いつまでに何をしなくてはならないかが見えてくる。つまり、これから先の時間の使い方が分かる」という意味だと理解しています。これが「バックキャスト」による思考で、未来から現在を見て、これからの行動が規定されるという考えです。
営業現場では事業予測を意味する「フォーキャスト」という言葉があります。今の状態から様々な努力を重ねることで、将来どうなるのかを組み立てるという考え方です。
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