この連載を始めてから半年が過ぎ、今回が第7回となりました。

 連載ではこれまで、「マーケティング組織のリーダーとして【あなたが率いるチーム】をどうするか?」というテーマにフォーカスしてきました。しかしマーケティング部門のリーダーは、自分のチームだけを責任範囲として捉えているだけではいけません。

 マーケターが抱える業務のうち自分だけで完結するものは、ほとんどありません。社外の広告代理店やメディアのほか、社内の製品部門や営業部門、そしてIT部門などにいるステークホルダーの協力が得られなければ、いかなるレビュー体制や綿密なKPI(重要業績評価指標)をこしらえていても、組織の目標を達成はできないでしょう。

 ではマーケティング部門のリーダーは、社内のステークホルダーの協力をどうやって得ていくのでしょうか。私なりに試行錯誤を重ねた経験を話します。

(出所:123RF)

ストーリーを組織全体に浸透させるために

 前回までに解説した取り組みで、「顧客価値を高めるマーケティングストーリーを構築する」ための手法を述べました。しかしその先は、一筋縄では進みません。

 最初に浮上するのが、経営陣とマーケティング部門の意思疎通が十分にできていないという課題です。特に、マーケティング部門が全くの新設部署であったり、リーダーが外部から参画した人間であったりした場合、そしてその企業の組織規模があまりに大きく、階層が多い場合などで発生します。

 あなたがリーダーシップを発揮し、顧客の購買必然性を高めるメッセージを自律的に打ち出すチームを組織し、そこで新しいマーケティングストーリーを構築したとしましょう。しかし、このストーリーにのっとって市場に新しい価値を提供しようとすると、社内のいろいろな部署から、

「ウチはそこまでやれないんだが」
「そういう話もいいけど、目の前の数字達成に役立つのか」
「まあそういうことは、そういう専門の部門で始めてくれればいいよ」

といった声が聞こえてきます。

 こうした声は往々にして、新しいストーリーに「腹落ち・ジブンゴト化」が不足している状況を表しています。これはマーケティングだけに限りません。例えば「新しいストーリー」を「DX(デジタルトランスフォーメーション)」に置き換えてみると、まさにこうした状況にある企業が多いのではないでしょうか。

 さて、どんな新しい取り組みも、チームが意欲を持って進めるときには、社内からサポートを得られるかどうかが、その成否に大きく影響します。自部門での「ジブンゴト化」を目指したリーダーの方には理解できると思いますが、「タニンゴト」状態である他部門を「ジブンゴト」状態に巻き込んでいくことは、マーケティング部門にとって重要であり、難易度が高いミッションとなっているのです。

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