政府は、日本が目指す未来社会像として「Society 5.0」を掲げています。内閣府が公表した資料では、Society 5.0を「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)」と定義しています(https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/society5_0.pdf)。

 この資料では、現実空間からセンサーとIoT(モノのインターネット)を通じて集積したあらゆる情報である「ビッグデータ」を仮想空間のAI(人工知能)が解析し、現実空間にフィードバックする未来像を描いています。実際、IoTはネットワークに接続されていなかった様々なモノをインターネットに接続し、モノ同士のリアルタイムなデータの交換やネットワークを介した遠隔でのモノの制御を可能にしました。

(出所:123RF)

 身の回りでも家電や生活機器が、スマートスピーカーやスマートリモコンなどを通じてインターネットにつながり、クラウドに接続され始めています。これらのネットにつながった機器は、クラウドとの連携によって従来はなかった便利な機能を提供するようになりました。

 こうした例からも分かるように、IoTの活用によって現実空間と仮想空間がつながることで、機器やサービスの利便性や生産性が向上しています。その一方でサイバーセキュリティーの観点では、攻撃対象や機会の増大、被害の深刻化といった課題も生じています。今回はこのIoTのセキュリティーについて、現状を整理します。

IoTの3つの特性と新たな脅威

 IoTに対応した(IoT化した)装置やシステム、サービスは、「機器操作」「情報収集」「相互通信」という3つの特性を備えています(図1)。

図1●IoT化した装置やシステム、サービスが備える3つの特性
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 機器操作は、ネットワークに接続したモノを仮想空間からデータやコマンドを通じて制御する特性です。これまで機器単体あるいは閉鎖的なネットワーク経由でしか制御できなかったモノが、IoT化することによって、インターネットを介して様々な場所やサービスから制御できるようになります。

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