米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のアンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)が2019年12月3日(米国時間)、米ラスベガスで開催中の年次イベント「AWS re:Invent 2019」の基調講演で20を超える新製品や新サービスを発表した。AWSの将来の方向性を示す発表について、4つのカテゴリーに分けて紹介する。

米アマゾン・ウェブ・サービスのアンディ・ジャシーCEO(最高経営責任者)
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1.クラウドを「エッジ」でも利用可能にするサービス

 AWSをはじめとするクラウドは「ネットワークの向こう側」に大規模な計算リソースを抱えているイメージがある。しかしこのイメージは実態を反映しなくなるかもしれない。AWSはネットワーク遅延(レイテンシー)を縮めるため、ユーザーに近いエッジ側へとインフラ機器を拡散配置する動きを強めつつある。

 ジャシーCEOは基調講演で、利用企業がAWSのインフラ機器をオンプレミス(自社所有)環境で運用できるサービス「AWS Outposts」の一般提供(正式提供)を始めたことを発表した。低遅延でのデータ処理を求める顧客や、社内の機密データを社外に出したくない企業の利用を見込む。

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 米国や欧州のほか、東京、オーストラリア、韓国のリージョン(広域データセンター群)で利用できる。日本国内にインフラ機器を設置する場合、利用企業からは東京リージョンに属するアベイラビリティーゾーン(AZ、独立性の高いデータセンター群)のように見えるという。3年単位の契約になる。

 Outpostsが企業1社を対象にした低遅延サービスとすれば、新たに発表した「AWS Local Zones」はリージョンの拡張という位置づけで、特定の都市にAWSのインフラ機器を設置することにより、その都市のユーザーが低遅延でリソースにアクセスできるようにするサービスだ。数ミリ秒の遅延でAWSのリソースを利用できるため、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)や遠隔運転などリアルタイム性の高い用途に向くという。

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 最初のLocal Zoneは米ロサンゼルスに設置する。ゲーム開発会社を含めたエンターテインメント企業に利用を促す。

 AWSのインフラ機器を5G(第5世代移動通信システム)のネットワーク内に設置することで、無線通信においても低遅延を実現するのが「AWS Wavelength」だ。遅延を数ミリ秒に抑えられる。米国ではベライゾン(Verizon)と組み、2020年開始を目指して現在プレビュー提供をしている。日本ではKDDIと組んでサービスを始める考えだ。

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