Q.再雇用で勤務している62歳のSEです。現役社員に気を遣ってしまいます。年金を早めにもらって退職しようかと迷っています。人事部に制度の仕組みや年金を早めにもらったときの損得について聞くと、「自分で決めることです」と冷たい回答でした。

 年金は通常65歳から支給されます。個人の選択で年金を早めにもらう(繰り上げ受給)ことも、後にずらしてもらう(繰り下げ受給)こともできます。どちらが得か損かは誰にも分かりません。本人の寿命によるからです。安易にアドバイスすると、後で本人の恨み節を聞くことになるかもしれません。人事部の回答は正しいと言えますが、制度の概要ぐらいは説明してあげてほしいです。

 支払ってきた保険料は個人で違います。同期入社の社員でもいずれ昇給や昇格で給与が変わり、ボーナス額の違いからも保険料が異なってきます。たくさん支払ってきた社員のほうが受け取る年金額は多くなります。

 支払っている保険料は、自分用に貯金しているわけではありません。年金受給者の支給に充てられています。現役世代が年金受給者の年金を支払っているイメージです。

 死亡で年金支給はストップします。支払ってきた保険料を貯金のように一括して引き出しておくことはできません。早く死亡するのなら、早めにもらっておいたほうが得だということになります。しかし寿命は誰にも分からないので悩むのです。

繰り上げと繰り下げ受給、年金額の違いは

 年金は通常、65歳からの支給になります。繰り上げと繰り下げは、60~70歳の間で年金を受け取る時期を選択することです。65歳より早めにもらう繰り上げ受給を選ぶと、年金額は減ります。一方、繰り下げ受給を選ぶと年金額は増えます。繰り上げや繰り下げの受給手続きは年金事務所で行います。

 どのくらいの増減なのか、気になるところですね。繰り上げ受給で1カ月当たり0.5%減額、繰り下げ受給だと1カ月当たり0.7%の増額です。

 繰り上げを例に説明します。例えば、65歳のときの1カ月当たりの年金支給額を10万円とします(説明上の金額)。60歳に繰り上げた場合は5年早めることになります。5年は60カ月なので30%(60カ月×0.5%)の減額となり、年金支給額は7万円になります。手続きを終えて決定すると、もう変更はできません。

 受け取る年金額は個人によって違います。支払ってきた年金保険料が異なるからです。質問者は自分の年金額を確認したうえで、年金受給を開始しようと思う年齢から考えてみてください。

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