Q. 常駐先の大手IT企業に転職したく中途採用で応募するつもりです。常駐先でお世話になっている正社員の方々の意見も聞きました。いずれは自社の上司に分かることなので、事前に報告しました。ところが上司が「取引会社間での勧誘は禁止だ、業界ルール違反だ」と憤慨し常駐先にクレームを入れるとまで言われました。納得できません。

 転職により退職する社員側の会社(上司)が憤慨するのはよくある話です。常駐先となるIT企業やユーザーの情報システム部門への転職を筆者は多数見てきました。上司の言うことは気にしなくてよいです。割り切るしかありません。どこに勤めるかは本人の自由であって制限できないのです。業界ルールといった明確なものは存在せず、上司判断による常識的感覚で捉えた発言でしょう。

会社間で勧誘禁止となっていても関係ない

 IT業界ではシステム開発や保守サービスなどで、自社のSEが発注元のIT企業やユーザー部門に常駐することが多々あります。こうした仕事をするときに、まず会社間でSES(システムエンジニアリングサービス)契約書や出向契約書、派遣基本契約書などを交わします。これらにより、自社ではなく常駐先で勤務することになります。

 優秀なSEなら常駐先で認められ、そのまま転職といった構図はありえることです。とはいえ自社にとって優秀なSEの流出を防ぎたいと思うのは当然です。そこで自社と常駐先企業で交わす契約書に勧誘や引き抜きを禁止する条項を入れたりするのです。こうすることで、少しでも転職(人材流出)にブレーキをかけるという目的があります。しかし、あくまで会社間の取り決めであって本人には関係ありません。本人が自らの意思で応募するのは自由です。

 きっかけが勧誘であったとしても、最後に決めるのは社員自身です。現実的には本人が採用応募したり、本人から転職したいという相談や申し出があったりするということでしょう。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。