Q.大手IT企業勤務のSEです。新卒入社2年目で、4月より3年目の勤務となります。プログラマーという職種はなくSE職ですが、今はプログラム製造が主な仕事です。学生時代から趣味でプログラムを作るのが大好きでした。上司は、私のプログラム製造が速いとほめてくれます。その分、「これもお願い」とよく追加作業を頼んできます。例えば、私と同僚の先月の製造ノルマは3本ずつでしたが、同僚の遅延により私が4本、同僚は2本の製造に変わりました。私のほうが2倍製造したのに、給与は同僚のほうが残業しているので多いです。

 入社2年目ということですね。まだ基本給は同期の社員と同じだと思います。差があったとしても、ごくわずかです。基本給が同じなら、残業の多い同僚のほうが支給額は増えます。プログラムを2倍製造しているのにという質問者の不満は理解できます。

 質問者の会社では、若い頃はプログラム製造を行いますが、後は設計が主体となるようです。プログラム製造は外部への請負発注が多いと聞きました。

 今も昔も同じで、多くのIT企業ではプログラム製造フェーズの見積もりにおいて、各社で設定している生産性指標を用いています。昔と違うのは、対象のプログラム言語が変わっただけです。

 プログラムのトータル想定規模と生産性指標から製造工数を算出します。その工数が、顧客に提示する見積金額の根拠になります。

 質問者のプログラム製造の生産性は、会社が定めている生産性指標を上回っていると推測できます。つまり、質問者のプログラム製造能力は高いということになります。

製造本数による成果給は可能なのか

 質問者が疑問に思うことは経営者側も同じで、プログラム製造の生産性が低い社員ほど経営者にとって悩みが増えるようです。「残業時間が多くなり給与が増える、成果主体の給与にできないのか」「プログラムが構造的でなく分かりにくい」「不具合が多く後戻り工数が発生する」といった愚痴を聞くことがあります。

 商品の販売個数に応じて給与が支給される販売員や、タクシーなどのプロドライバーの給与は出来高払いで、分かりやすいです。出来高払いの給与は、実績や成果(出来高)が給与に連動するからです。

 SEやプログラマーは、自ら仕事を受注して開発しているわけではありません。営業が受注して、プロジェクトリーダーが仕事を割り振ります。そもそも、プログラム製造がない時期もあります。販売員やプロドライバーのような出来高払いの給与(成果給)にするのには無理があります。

 なお、成果がなかったとしても「給与は無し」なんてことはできません。労働基準法(第27条)では「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない」とあります。

 また、最低賃金法に基づく最低賃金を下回ることはできません。労働基準法や最低賃金法などの法律が時間軸になっています。

 質問のケースでは、同僚のほうが仕事をしている時間が長いので、残業手当が多くなっています。不満に思ってもどうしようもありません。

 業績を反映して差をつけることができる賞与があります。どの会社でも、「賞与は業績に応じて支給する」と就業規則に明示していると思います。質問者はまだ入社2年目なので賞与も差がないでしょうが、その後、少しずつ優劣が分かれるはずです。

 給与での優劣が目に見えてくるのは、昇格のときです。昇格が早いか遅いかで分かります。

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