Q.顧客システムの開発を手掛けるシステムエンジニア(SE)です。他部門のプロジェクトリーダーの下で仕事をしています。このプロジェクトリーダーの指示で休日出勤が多くなってきました。所属部門の管轄ではないプロジェクトに現在関わっており、予定より進行が遅れているからです。多忙なので振り替え休日がたまる一方です。所属部門の上司からは「たまった振り替え休日を早く消化しなさい」と言われます。多忙で消化できない状況なのに困ります。所属部門の上司と、今のプロジェクトリーダーで話し合ってほしいです。

 この相談には明らかにおかしい点があります。質問者やその上司の発言にある「振り替え休日がたまる」「たまった振り替え休日を消化しなさい」といったフレーズです。振り替え休日はたまらないものなのに、通常の会話で使っているようです。この会社の労務環境は劣悪なのかもしれません。

振り替え休日は「たまらない」

 振り替え休日がたまることはありません。事前に休日出勤の日と、特定した平日を入れ替え(振り替え)運用するものだからです。振り替えで休みとなる日のことを振り替え休日といいます。

 「振り替え休日がたまる」という表現をする会社があります。質問者の会社もそうです。そういった会社では、下記のようないい加減な運用をしています。

  • ・振り替え休日の日にまた出勤させてしまった
  • ・そもそも事前に振り替え休日の特定をしていなかった
  •  振り替え休日の当日に社員を出勤させたときは、休日出勤したことになります。会社は、振り替え休日をさらに先延ばしすることなく休日出勤の手当を支払わなければなりません。

     一方、事前に振り替え休日を特定していない会社の場合は、社員に対し、後で振り替え休日を取りなさいということになります。これは振り替え休日ではなく「代休」の運用です。振り替え休日は「事前に振り替える」のが原則なので、代休の運用にするのは法令違反の状態です。

    人件費は増えないという大きな勘違い

     筆者は、きっちりとした勤務計画を基にしている会社であれば、振り替え休日の運用はありだと思います。そうではない会社は、振り替え休日の運用はやめて代休運用にすべきです。振り替え休日の運用は、悪意がなくても法令違反となるリスクがあるからです。

     プログラマーやシステムエンジニアの場合、計画的な勤務は無理だといってよいでしょう。突発的なシステムトラブル、スケジュール遅延での多忙な時期があるからです。

     なぜ会社は代休ではなく振り替え休日を使わせるのでしょうか。「振り替え休日は人件費増にならないから」という理由を述べる経営者がいます。一般にそう信じている人々も多いですが、間違いです。

     休日と出勤日を入れ替えるので、出勤に対する人件費(給与額)はいつでも「1-1=0」になると思われているようです。常にそうなるとは限りません。

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