Q.所属グループに仕事がないため、別部門のプロジェクトチームに参画しているSEです。チーム内に上司は入っていません。仕事は、プロジェクト体制上の別部門のプロジェクトマネジャー(PM)から指示されます。テレワークによりPMとのチャット会話が増え、相談しやすい関係になりました。上司は状況報告を頻繁に求めてきますが、正直言って時間の無駄です。社内調整を含む相談事もありません。

 極端な言い方ですが、状況報告を聞くのが仕事だったというような管理職は、テレワーク推進により暇になったと思います。

 部下は出勤時に、直近上司が席にいると気を使うことがあります。上位上司や別部門のPMに相談するときなど、まずは上司に報告してからと思うからです。上司によっては、自分が間に入りたい、上位上司などのところには一緒についていくという人もいます。

 テレワーク推進によるビジネスチャット活用などで、直接的に上位上司やPMとの会話もしやすくなりました。直接話したほうが早いです。つまり、部下管理が主体の上司の出番は少なくなったのです。

部下の人数が減り、単なる管理仕事も減る

 社内高齢化が進んでおり、昔に比べて部下の人数も減っています。ピラミッド型から釣り鐘型へと人口構成が変わり、さらに逆ピラミッドになっている組織もあります。そういった組織では、管理職が多くなっています。管理職が多くなるほど、部下の数は減ります。例えば、部下の昇格にともない新たなグループが生まれるので、自分のグループの人数が減るということがあります。部下管理という意味では、部下の数で役割の大きさが変動します。

 ビジネスツールの活用やテレワーク推進により、在席確認やチャットでの会話も簡単にできます。社員間の距離が近くなったといえます。直近上司を介さずに、PMや上位上司と直接会話することで仕事がやりやすい環境になりました。相手方にしても、直接に優秀な社員に聞いたほうが早いと分かっています。

 部下の報告を聞く、アドバイスする、社内調整を行うといった部下管理の仕事は、確実に少なくなっています。

 部長や課長は、部下の食いぶち(売り上げ)を確保することが最低のノルマです。数人しか部下がいないといった課長も同じです。このノルマも、毎期クリアできないのであれば自身が管理職ではなく、専門職のプレーヤーで生きていくほうがよいのかもしれません。

 売上予算を達成できない管理職はつらいものです。

管理職でもプレーヤーのスキルが必要

 歴史のあるIT企業は、社員の平均年齢も高いです。課長になって、部下の面倒を見ていればよいという労働環境ではありません。そもそも部下なしの管理職もたくさんいます。

 新規ビジネスの構築もできない、売り上げ確保もできないといった管理職はプレーヤーで生きていけるスキルを磨いておくべきです。

 労働基準法で示されている管理監督者は、部下がいて人事権があり、賃金も高いという前提にあります。法令上の管理監督者が、会社でいうところの管理職と一致しなくなっています。

 役職名が課長やマネジャーとなっていても、社内的には専門職のITエンジニアだという社員も多くなるわけです。名ばかり管理職だといわれないように、課長やマネジャーでも残業手当を支給している、あるいは裁量労働制を適用している企業もあります。

 管理職に興味がない、自身が専門職のマネジャーでスキルを保持していきたいという社員にはよいことです。いつまでも後輩から頼られ、働きやすいポジションを確保できる可能性があります。

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