Q.システム開発部門の責任者です。当社では、健康配慮の面から月50時間を超えた残業者の社内点検があります。具体的には直近6カ月で、50時間超えが複数月ある社員に関する報告です。ゴールデンウイークに顧客のシステム移行作業を行った関係で、数人がピックアップされました。翌月(6月)と比較して、トータルの出勤日数や時間に大幅な差はありません。当社の残業集計の仕方がおかしい気がしてなりません。

 長時間残業の社内点検を、労働基準法にもとづいて法定外労働時間で行っている会社があります。1日8時間、週40時間を超えた時間になります。その場合は、質問者が感じているように5月分がピックアップされなかった可能性があります。

 質問者の会社は、点検のピックアップに給与計算で使用している残業や休日出勤のデータを利用していると推測します。2021年5月の平日が18日、6月は22日です。同じ出勤日数だったとしても、祝日などの関係で5月は4日分が多く計上されているはずです。

 IT企業のエンジニアは残業が多いです。点検用に別途、法定外労働時間を管理したほうが正確だと言えます。

給与の残業と法定外労働時間が一致しない理由

 国から会社に対し、長時間残業の抑制の趣旨から自主点検報告の要請が来ることがあります。内容は時期や地域によって相違があります。休日出勤分も含めて法定外労働時間が直近1年で、月45時間や80時間、さらに100時間を超える社員数や職種の報告などです。

 多くの会社で、この法定外労働時間と給与明細書の残業時間とは一致しません。なぜ一致しないのかを、始業と終業の時刻が決まっている会社の場合で説明します。社員の人は、ご自身の認識と違うか確かめてみるといいでしょう。

・自社が1日7時間勤務制で、9時間働いた場合

 社員は「今日の残業は2時間だ」と思うはずです。実際、2時間として計上している会社があります。実は、法定外労働時間は1日8時間を超えた1時間です。最初の1時間は法定内の労働時間になります。

・午前休暇を取って昼から出勤した場合

 通常は、夕方の定時刻から残業になります。午前休暇を取っているので8時間を超えるまでは残業になりません。ですが勤怠管理が面倒なので定時刻から残業扱いにしている会社があります。その場合、多めに残業時間が計上されています。

・祝日があったときの休日出勤

 土曜日に休日出勤し8時間働いたとします。8時間勤務の会社では、月~金曜日と土曜日で48時間の勤務になります。週40時間を超えた分、つまり土曜日出勤の8時間が法定外労働時間となります。

 一方、その週に祝日が1日あったとします。合計で40時間勤務となるので土曜日の出勤は法定外労働時間にはなりません。

・有給休暇を取った週の休日出勤

 これも上述の「祝日があったときの休日出勤」と同じで法定外労働時間ではありません。

 法定外の残業なのか、そうでないのかを管理するのは面倒です。区別せず合わせて残業として管理している会社が多いです。そのほうが給与計算の事務も楽です。

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