転職活動では、基本的に過去の経験を評価されたうえで内定が出ます。転職後、意識的または無意識のうちに前職で得た知識や情報を活用することはあるでしょう。

 ただし、活用の中身によっては厄介な事態になります。今回は、転職に伴う情報管理について取り上げます。

その気がなくてもトラブルになる可能性

 つい先日、「元ソフトバンク社員で現在は楽天モバイルに勤務する人物が、不正競争防止法違反の容疑で逮捕された」という報道がありました。

 ソフトバンクの発表資料によれば、この人物が退職申告してから退職するまでの期間に、ソフトバンクの営業秘密に当たるネットワーク技術に関わる情報を不正に持ち出していたことが判明したといいます。これが事実だったとすれば情報持ち出しの手法があまりに分かりやすく、筆者は驚いてしまいました。

 「自分はこんなことはしないから関係ない」と思うかもしれませんが、実は本人にその気がなくてもトラブルになることはあります。前職で得た機密情報を、その重要性を認識せずに話して漏洩させてしまう、または漏洩させたと誤解されてしまう可能性があるのです。

退職を見据えて気をつける3つのポイント

 短いスパンで転職を重ねている人、いわば“転職のプロ”は、情報管理にはとても気を配っています。筆者も10回ほど転職をしていますが、入社日から退職を見据えて気をつけていました。

 具体的には、以下のことを常に頭に置いていました。

  1. 現職と転職先の情報管理規定をきっちり理解する
  2. 会社の仕事には会社のPC、転職の連絡には私用のPCやスマートフォンを使う
  3. 退社が決まったら自分のメールをすべて上司や後任者と共有する

 読者の皆さんの中にも、既に転職が決まっていて引き継ぎ中の方がいらっしゃるかもしれません。この3点を、ぜひ意識していただければと思います。

1. 現職と転職先の情報管理規定をきっちり理解する
 まずは現職の情報管理規定をしっかり確認しましょう。情報管理規定とひと言で言っても、人事規定に就業規則、情報システムの部門が作成している規定などさまざまな種類があります。

 これらをよく読んで、転職前後に規定に反する行動をしてしまわないようにします。こうして、退職時の情報持ち出し、漏洩に関して疑われるリスクを減らします。転職後は、新しい勤務先の情報管理規定をすぐに確認しましょう。

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