有名企業の早期退職・希望退職制度運用のニュース。最近では、1週間に1度はメディアで目にするようになっています。皆さんの会社でも始まっているかもしれません。

 早期退職者を募集する場合、応募者に対する転身支援を用意する企業があります。本コラムでも、「転身部屋」の様子を何度か取り上げてきました。

 今回は、転身部屋での「仲間との付き合い方」を見てみましょう。

徐々に連帯感が生まれる

 人事異動の名目で転身部屋に移ってきた社員は、とにかく疑心暗鬼になっています。最初のうちは、周囲のすべての人を疑ってかかります。同じように人事異動で配属された同僚にも心を許しません。

 「まぁ、気持ちを切り替えて頑張ろう」とでも言おうものなら、「人事が送りこんだサクラに違いない」などと勘繰られる始末。通常の人事異動後には想像もつかないネガティブな発想をしてしまうのです。

 しかし、2週目、3週目と経過すると徐々に会話をするようになります。転職サイトや求人誌などを読みながら転身先を探そうかという段になると、境遇が同じこともあり連帯感が生まれます。

 転身部屋の運営は人材系企業に委託する場合が多いのですが、そのスタッフに対しても、態度が変わってきます。異動初日は懐疑的でも、だんだん打ち解けていきます。さらに運営スタッフが有効な情報源と分かると距離がぐんと近づき、身の上話なども始まります。「資格を取るならどれがいいか」といった具体的な相談もされるようになります。

 こうして転身部屋への異動から1カ月もすると、転身部屋には「みんなで頑張ろう」という一体感が生まれます。

くじけそうになっても仲間がいる

 早期退職が迫っている人同士で連帯感を強めても仕方がないのではないか、と感じるかもしれません。しかし、厳しいことも多い転身活動において仲間の存在は重要です。同じ境遇の同志と一緒に頑張れるのは、転身部屋の大きなメリットだと筆者は思います。

 活動を始めて2カ月目あたりから、企業に履歴書や職務経歴書を送り、書類審査で不採用になることも出てきます。今の50代が新卒の頃、不採用通知は書面や電話で受け取っていました。「今後のご活躍をお祈りいたします」などと書かれた不採用メール、いわゆる“お祈りメール”を人生で初めて受け取る人もいます。

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