会社員時代の仲間から、独立・開業の相談を受けることがよくあります。筆者自身、会社員生活を経て独立しているのですが、基本的にあまりお勧めしていません。

 中途半端に開業して、その後長続きしない仲間を見てきているからです。例えば1人で会社をつくっても、日々の目標管理や行動管理ができず、売り上げがたたずに会社勤めに戻るケースも複数目にしています。

 それを「良い経験だった」と自分の糧にできる人はよいのでしょうが、そんな人ばかりではありません。開業しても3~4年後に会社をたたむのと、そのまま辞めずに会社で成果を上げるのとどちらが良かったかを考えると、安易に独立に賛成できません。

独立・開業したらやりたいことができるのか?

 マイナビが2021年5月20日に発表した「マイナビ2021年版 独立・開業に対する意識調査」によれば、独立・開業に興味がある人の割合は43.9%。半分弱の人は関心があるようです。

 この調査で筆者が注目したのは、「独立・開業を考えたきっかけ」です。ダントツは「収入を増やしたい」(31.9%)なのですが、次いで多かったのが「やりたいことがある」(19.0%)でした。

独立・開業を考えたきっかけ
独立・開業を考えたきっかけ
(出所:マイナビ「マイナビ2021年版 独立・開業に対する意識調査」)
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 実際には、独立・開業してもやりたいことがすべてできるわけではありません。やりたくないことを断って、やりたいことだけに集中できるようになるのは十分な売り上げが上がるようになってからです。また十分な売り上げが確保できても、人間関係などのしがらみから受けざるを得ない仕事もあります。

 筆者も独立・開業して10年以上がたちますが、やりたいことは仕事全体の一部です。筆者の仕事を分類してみると、以下の4種類になります。

  1. 条件にかかわらず、全力でやりたい仕事
  2. やりたいけれど、条件によって引き受けるかどうか判断する仕事
  3. やりたくないけれど、条件が良ければ引き受ける仕事
  4. どんな条件でも引き受けるしかない仕事

 開業当初や売り上げがなかなか上がらないときは、④の比率が高くなるのは当然です。軌道に乗ってくれば、徐々に③が増えていきます。①や②だけを引き受けられるのは、かなり経営が安定してからでしょう。ちなみにこの①~④を意識することは、開業後の自分がどれくらいの価値を社会に提供できているかを把握するのに役立ちます。

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