早期退職者の募集が始まったけれど退職後の道筋が全く見えず応募する勇気はない、とはいえ今の会社でどのように生き残れるか不安――。コロナ禍の中、こうした相談を受けることがあります。

 相談者が40代以上だったら、筆者は「これからの社会人人生、レガシーチームとニューノーマルチームのどちらで過ごすかを検討したほうがいい」とアドバイスしています。人は意識や行動をすぐに変えることはできません。どんな生き方をするかをしっかり見定めれば、それに適した考え方や行動が徐々にできるようになります。

 前回も書きましたが「自分の技術知識やスキルはオワコン(衰退するもの)かもしれない」と思っているのなら、本当にそうなのかと改めて考えてみてください。実際には以下の3つの可能性が考えられます。

  1. 単なる思い込みで、実際にはオワコンではない
  2. 業界全体としてはオワコンではないが、自社だけ衰退している
  3. 業界全体が衰退している

 2輪車の例を見てみましょう。第一種原動機付自転車、いわゆる「50ccクラスの原チャリ」を以前に比べて見かけなくなりました。全国軽自動車協会連合会と日本自動車工業会の調べによれば、原付一種の販売台数は1980年が197万8426台だったのに対し、2019年は13万2086台。なんと90%以上の減少です。

 原付一種に限らず、国内で市場が縮小している製品はいくつもあります。こうした製品を手掛けてきたエンジニアが定年までの5~10年もそのまま関わり続けたい、つまりレガシーチームのまま働きたいとしたらどうでしょう。現状の知識や経験を生かしながら、縮小する事業への付き合い方を考えることになります。方向性は大きく3つ考えられます。

  1. 国内市場は縮小していく前提で、異動辞令がない限りは好きなことを続ける
  2. 自分の技術を他国で生かすべく、自社の海外工場を視野に異動先を探す
  3. 社外で自分のスキルを生かす可能性を探る。そのために転職や副業を視野に具体的な行動に移す

 国内でその製品に関わり続けると決めたなら、社内や業界内で明るい話題はあまり聞けないかもしれません。それでも自分の知識や技術が通用する期限を意識しながら働くのと、突然部門閉鎖に遭って人事異動や早期退職募集に直面するのとでは、その後の働き方が大きく変わってくるのではないでしょうか。

 また海外には、その製品の市場がまだまだ伸びているケースは少なからずあります。例えば、原付一種が日常の足として活用されている国は多いでしょう。社内の人事制度を確認して、海外勤務が可能であればそれに応募してみるのも1つの方法です。「好きなことを仕事に」は簡単なことではありませんが、ちょっと視野を広げて情報を集めるだけでチャンスは見つけやすくなります。

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