カシオ計算機はGショックを自由にカスタマイズできるサービスを始めた。サービスを実現するため「ユーザー中心のバリューチェーン」を新たに構築。全社で業務プロセスを整理し、複数のシステムをAPIで連係させた。
カシオ計算機の「G-SHOCK(Gショック)」は「落としても壊れない時計」という常識破りのコンセプトで1983年に発売。以後も衝撃や低温に耐えるよう改良を続け、累計出荷は世界で1億3000万本に上る。
Gショックは収益面でもカシオの屋台骨を支える。2021年3月期決算をみると、Gショックブランドの売り上げは821億円と、全社連結売上高2274億円の約36.1%を占める。
カシオは2021年10月20日、デザインをユーザーの好みにカスタマイズできるサービス「MY G-SHOCK(マイGショック)」を日本で始めた。「マイGショックはカシオがDX(デジタル変革)を進めるうえでエポックメーキングな商品だ」とデジタル統轄部の石附洋徳統轄部長は話す。
ユーザーは同社EC(電子商取引)サイト内でフェース、バンド、ベゼル(額縁部)など6種類のコンポーネント(構成要素)を注文時に選べる。ベゼルやバンドは19色、フェースは7種類をそろえ、組み合わせは約190万通りに上る。「選ぶことも楽しめるユーザー体験の提供を目指した」と石附統轄部長は話す。ユーザーは店舗で組み合わせているかのように、前面や側面、背面など様々な角度から自分がカスタマイズしたモデルをサイトで確認できる。
注文してから届くまで3~5週間程度かかる。待つ間も購入者が楽しめるよう、受注時、生産開始時、出荷準備開始時、発送時にメールを送る。
同社の発表資料によるとマイGショックの当初月産は1000本である。「具体的な販売本数は言えないが、売れ行きは好調だ」(石附統轄部長)。