CRM(顧客関係管理)機能を含む営業支援システムを導入。システム操作の演習などにより、営業担当者の利用率を上げた。アナログな店舗の営業管理手法を改め、生産性向上につなげる。

イオン銀行の代表的なインストアブランチ(商業施設内店舗)である千葉県習志野市の「イオンモール津田沼店」
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キャッシュカードと一体になったクレジットカード「イオンカードセレクト」
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 イオン銀行は2019年11月19日、米セールスフォース・ドットコムの「Sales Cloud」を用いた営業支援システムを稼働させた。これまで利用していたCRM(顧客関係管理)機能を最新版に更新した上で、従来は口頭や紙、Excelで実施していた営業活動の報告や案件情報の管理を同システムに一元化。営業の進捗、見込み、実績といった営業計数を店舗や地域、全国で自動集計できるようにした。現在は、1300人を超える店舗の営業担当者を対象に、1年以上をかけて営業支援システムの利用を定着させる取り組みを進めている。

図 新旧システム概念図
営業支援システム開発を契機にCRM機能を包含(出所:イオン銀行の資料を基に日経コンピュータ作成)
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 システム導入後、商談の成約率が上昇したり、報告・連絡に関わる業務負荷が軽減したりするなどの成果を上げた。システム操作の演習などにより、営業担当者によるログイン率に見るユーザー利用率は95%以上になった。

SaaSなのに最新機能が使えない

 2007年の開業時に同行は、Sales Cloudを用いたCRMシステムを導入した。リテールバンキング分野で、窓口業務やコールセンター業務向けに顧客管理機能を1つの環境で実現した事例は当時珍しく、勘定系とのデータ連携を含めて6カ月という短期間で開発したことも話題になった。顧客に関わる個人情報や取引情報の可視化・共有を目的としており、顧客への確認や説明漏れを防ぐなど、金融商品取引法にのっとった顧客対応にも利用した。

 ただ当時のSales Cloudは標準機能が限られていたため、導入に際してカスタマイズすることが少なくなかった。主に個人客を相手とする同行も、カスタマイズをした。しかし、それがSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)として提供される機能のバージョンアップを妨げる要因となった。

 イオン銀行の準備会社に入社し、インターネットバンキングやデジタル戦略を手掛けてきた橋部智之リテール戦略統括部長は、2014年から2018年にかけてCRMシステムの再構築を検討した経緯についてこう話す。

 「スマートフォンの普及拡大に伴い、Webサイトからの申込件数が顕著に増加した。これを受け、現状のCRMシステムを高度なマーケティング領域に活用する模索を始めた」。2015年にメーカーやシステムインテグレーターから提案を受けるなかで、バージョンアップができない現行のCRMシステムを機能拡張して営業支援に活用するのは困難だと感じたという。「CRMシステムはデータを保管する箱のようになっていた」と橋部統括部長は振り返る。

 こうした経緯から同行は、CRMシステムの再構築を目指して、店舗の視察やヒアリングを行うことにした。

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