オリックス生命保険は新しいコンタクトセンターシステムを稼働させた。顧客応対時の電話保留や後処理の時間を稼働後4カ月で4割減らせた。UXを重視した画面の開発やデータ入力の簡素化で成果を得た。
「(電話応答のための)保留時間などの短縮は年間で数%減、10%減といった小幅な目標を掲げて進めることが多かった。新システムによって劇的に効率を改善できた」。オリックス生命保険の渡辺展正カスタマーサービス部部長はこう説明する。
同社は顧客などからの電話に応対するコンタクトセンター向けの新システム「CallView(コールビュー)」を開発・運用して業務効率を高めている。2020年4月に本格導入して4カ月後には成果が表れた。顧客からの問い合わせ内容に答えるために待ってもらう保留時間と電話応対後の処理にかかる時間の合計が、問い合わせ1件当たり平均で154秒と、導入前に比べて43%減らせたのだ。2021年末現在も、保留時間・後処理時間はこの水準を維持できている。
新システムは、オリックス生命保険の商品の申し込みを検討している顧客や契約後の顧客、保険代理店の担当者などからの電話問い合わせを受け付けるコンタクトセンターのオペレーターが主に利用している。開発プロジェクトは2018年5月にスタート。2020年4月までに段階的に稼働させてきた。それ以降も、画面表示を固定するピン留め機能を加えたり、画面上のボタンの配置などを改善したりしている。開発費用は約5億円である。