ヤマト運輸がデジタルの力で物流変革に挑んでいる。配送現場の生産性向上に向けてAIによる荷物量予測システムを導入。AIの開発や運用・保守を円滑に管理する新手法「MLOps」も取り入れた。

(写真提供:ヤマト運輸)
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 1929年に日本初の定期便路線事業を開始し、1976年には故・小倉昌男氏が所管官庁と闘いながら「宅急便」事業を始め、全国の津々浦々に荷物の配送ネットワークを築いたヤマト運輸。創業100年超の同社は現在、「次の100年」を見据えて物流DX(デジタルトランスフォーメーション)に挑んでいる。

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 先駆けとなる取り組みとして2021年1月までに、配送センターで扱う荷物量を予測する新たなデータ分析システムを本格導入した。システムは米マイクロソフトのクラウドサービス「Microsoft Azure」上に構築した。過去4年分の荷物の集荷データや配達データなどを基にした機械学習のアルゴリズムを用いて、全国に約6500カ所ある配送センターにいつ、どのくらいの荷物が届くかを予測する。

図 ヤマト運輸が運用している配送センターの荷物量予測システム
図 ヤマト運輸が運用している配送センターの荷物量予測システム
AIを活用して配送現場の業務効率を向上
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 主な狙いは配送センターで働くスタッフや荷物を運ぶトラックなど経営資源の最適配置だ。ヤマト運輸では配送センターを通じて年間21億個(2021年3月期)という膨大な荷物を顧客に届けている。各センターで扱う荷物量には地域差があり、季節や曜日による繁閑差も大きい。さらに近年は大手ネット通販会社がセールを実施した際など急に上振れするケースも増えている。

 配送センターでは荷物量の変動をあらかじめ見積もってスタッフの勤務シフトを計画したりトラックを事前手配したりする必要がある。従来は現場の担当者の経験と勘に任されていた。新システムでは配送センターごとに3~4カ月先に届く1日の荷物量を誤差数パーセントの精度で予測する。経験の少ない担当者でもBIツールなどで予測結果を確認し、勤務シフトや配車計画を効率的に策定できるという。

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