医療用分析装置などを手がける日立ハイテクがNotesから脱却した。部門ごとに「サイロ化」していた顧客関連情報はSalesforceに集約。デザイン思考を取り入れ、顧客中心の考え方でシステムを刷新した。

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 医療用分析装置や半導体分析機器などを手がける日立ハイテクは2019年10月、20年ほど利用してきたグループウエア「Notes/Domino」からの脱却を果たした。Notesの利用停止を決断したのは2014年末で、5年をかけて他のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)などへ移行した。

 日立ハイテクはNotesのデータベース(DB)を部門ごとに構築してきたこともあり、グループ全体で8900件ものNotesのDBが存在していた。各DBについて保管や廃棄、移行といった仕分けをしてNotesから脱却した。

 移行における最後の難関となったのが、製品販売後の顧客関連情報を管理するアフターセールス向けシステムだ。同社は医療用分析装置や半導体分析機器のほかに、半導体製造装置や半導体デバイス検査装置、電子顕微鏡、先端産業部材などをグローバルに販売する。いずれも高額なハイテク機器で耐用年数も長い。製品販売後も医療機関や半導体メーカーなどの顧客と密に連携する必要がある。しかし従来のシステムには大きな問題があった。各部署が顧客との接点ごとに顧客DBを作っていたため、情報がバラバラに管理されていたのだ。

図 従来の情報共有上の問題点
部署間で顧客情報の管理がバラバラ
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 従来、製品を納めた後に不具合が起きると、まずはコールセンターやエンジニア、テクニカルサポートセンターで対応し、解決が困難な不具合は工場の品質保証や設計にエスカレーション(引き継ぎ)して対応していた。製品の不具合情報はNotesを使った「フィールドアラートシステム」で管理していたが、顧客DBが部署ごとにバラバラだったので、最新の状況や誰が対応しているのかなどが分からなかった。部署間の情報連携は主にExcelやメール、電話を使用しており、必要な情報を即座に入手できなかった。

 このようなシステムをストレートに移行しても、情報の分断は解消できない。そこで日立ハイテクは米セールスフォース・ドットコムのService Cloudを採用し、顧客関連情報を管理するシステムを全面的に再構築することにした。同社はこの取り組みを、2019年1月から始めた全社デジタルトランスフォーメーション(DX)プロジェクトの一環に位置付けている。

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