筆者は2008年から昨年の2020年まで13年連続で米国のラスベガスで開催されるCESに参加してきた。以前はConsumer Electronics Showが正式名称でCESは略称であったが、現在はCES(読み方はシーイーエス)が正式名称である。

 今年はコロナ禍でリアルなコンベンションは中止となり、完全オンラインでの開催となった。もちろん、筆者に参加しないという選択は無い。昨年12月上旬の参加登録受付開始と同時に申し込み、1月11日のCES初日を迎えた。世界の名だたる企業が先端技術や製品をお披露目するCES、そのオンライン開催はいったいどのようなものになるのか、興味しんしんであった。

 ユーザーIDとしてxxx@ces2021.tech(xxxの部分は参加者個人に与えられるユニークネーム)というCES参加専用のものをもらう。ログインするときに気がついたのだが、これはマイクロソフトのTeamsのアカウントであった。CESのオンラインプラットフォームはTeamsが選択されたのである。

 ログインするとクールなトップ画面が現れた。もちろんすべて英語である。しかし、Webサイトならブラウザーの翻訳機能で日本語に翻訳できるし、最近は翻訳精度も向上しているので、英語が苦手でもなんとかなる。問題は動画である。オンラインCESのメインコンテンツは動画であるし、説明などのトークは基本すべて英語である。

 これはラスベガスに行ったつもりで全集中して頑張るしかない、と気張っていたら多くの動画に多言語での字幕サービスがあり、日本語字幕も用意されていた。ただし、字幕の日本語は少し不自然で、口語の自動翻訳の精度向上にはもう少し時間が必要だと感じた。インターフェースは総じてわかりやすく、全体的な評価としてさすがはCESといった感じであった。

 問題はオンラインCESの運営ではなく、参加者である筆者にあった。最初はやる気満々でカンファレンス動画を2本、3本と視聴していったのだが、4本、5本目あたりからやはり疲れてくる。ちなみに動画の長さは10分~30分程度である。なので5本の動画を視聴しても、時間的には2時間以内なのだが、目が疲れるし、座りっぱなしで腰も痛い。

 最初はなるべく英語で視聴しようとしたが、一度日本語字幕をオンにするとそれに頼ってしまい、不自然な日本語にイライラしてどんどん集中力が無くなってくる。集中力が落ちた状態で字幕を切ると、今度は英語が入ってこない。それでまた疲れる。昨年までのリアルなコンベンションだと1日に6時間以上会場にいて20キロ歩くこともざらで、肉体的には疲れるのだが、会場のエキサイティングな雰囲気と相まって、なんとも心地よい疲労感なのだ。

 筆者はITコンサルタントなので、テレワークは積極的に行っており、1日に何回もオンライン会議を行うことも頻繁にある。だからかなりオンライン慣れしていると自負もあった。しかし、今回のオンラインCESに参加してみて、インタラクティブな会議を日本語で行うのと、一方的な視聴を英語でするのでは自身の集中力持続に大きな差異があった。オンラインCESの期間は4日間なので、なかなかしんどいなと思っていたら、アーカイブ視聴が30日間提供されるとのアナウンスがあったので助かった。日に数本マイペースで視聴できるのはありがたい。

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