ちょっと面白いブログ記事を見つけたので紹介したい。「アメリカの丸亀製麺から考える日本でDXが進まない本当の理由」(ブランドン・片山・ヒル氏)である。

関連情報: アメリカの丸亀製麺から考える日本でDXが進まない本当の理由

 このブログによるとサンフランシスコ市内の丸亀製麺は地元民に人気で繁盛しているという。日本の丸亀製麺との大きな違いは従業員の数が非常に多いということだ。調理の細かい単位で分業が行われていて、一杯のうどんを作るのに「オーダーを取る人、麺を準備する人、麺を茹でる人、茹でた麺を渡す人、麺を冷やす人、麺をお椀に入れる人、お椀に汁を入れる人、お椀にトッピングを入れる人、お椀をお客さんに渡す人、天ぷらを揚げる人、揚げた天ぷらを並べる人、会計をする人」と12人で分業しているそうだ。

 このサンフランシスコの丸亀製麺はかなり極端な例かもしれないが、米国では仕事の役割と責任範囲が明確で「自分の仕事の範囲はここからここまで」とシングルタスクが徹底している場合が多い。それに比べて日本ではコンビニのバイトでもレジ業務、棚卸し、宅配便の手配、簡単な調理、清掃というようにマルチタスクである。

 一般にシングルタスクは自動化しやすく、マルチタスクは自動化が難しい。日本のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進まない理由はこの複雑なマルチタスク型の仕事のやり方に原因がある。さらに日本は賃金が安いため無理して人を減らして自動化するメリットも少ない。これが日本のDXが進まない理由だというのがブログ著者ヒル氏の主張である。この主張には賛同したい。もちろんこれだけが理由ではないが、1つの大きな要因であることは確かである。

中途半端なゼネラリストが大半

 日本の企業では長らくゼネラリストがもてはやされてきた。役員など出世する人はほとんどがさまざまな部署を経験してきたゼネラリストであり、特定分野の専門家であるスペシャリストは重宝されても出世はしなかった。ゼネラリストといえば聞こえがいいが、本当に優れたゼネラリストは少数であり、すべてが中途半端なまま年齢を重ねているのが大半だ。

 そうした中途半端なゼネラリストたちは50歳を過ぎると会社のお荷物になり、リストラの対象となる。リストラを機にそのゼネラリストが行っていた仕事を丸ごとDXの対象にして自動化や省力化を図ればよいのだが、こんがらがったマルチタスクになっているとそれが難しかったりする。中途半端なマルチタスクは弊害がある。

 一方で優秀なゼネラリストには仕事が集中する。特に中小企業ではその傾向が強い。本来は自分の仕事の範囲外のことまで、上司や場合によっては社長から直に振られることも少なくない。仕事を上から振られるだけでなく、「自分がやらないと回らない」と自ら飛び込んでいくことさえある。

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