4月の下旬にデジタル庁の石倉デジタル監が就任後わずか8カ月で退任するとの報道があった。退任の主たる理由は体調不良で会議などへの参加が減り、業務遂行に支障がでているためとされた。退任理由に関しては、デジタルに関する専門知識の不足や官僚機構との対立など、さまざまな臆測もあるが、当コラムでは報道の通り「体調不良」としてとらえたい。

 IT業界はストレスが多いことは確かだろう。以前の3K(きつい、厳しい、帰れない)時代に比べると、大手や優良ベンダーでは残業時間に関してはだいぶ改善されているが、下請けベンダーはまだまだ厳しい。「早死にする職業ランキング」などの調査では残念ながらSEやプログラマーはたいてい上位にランキングされる。

 過酷なのは現場の末端だけではない。冒頭のデジタル監のようなトップ、民間でいえばCIOやシステム部門長もストレスフルである。上位ポジションなのでシニアが多い。年齢的に新しい技術をキャッチアップするのが難しくなる。

 会議などで何の話かよくわからないことも多々あるはずだ。しかし、「わからない」とは言えない。わからないまま会議が進むことは不安である。わかっていないことが他の会議参加者にバレたらどうしようというおびえもあるだろう。そしてもしシステム障害でも発生しようものなら、立場上クビが飛ぶことも珍しくない。

 さらにストレスフルなポジションなのがプロジェクトマネジャーである。自社の上長、部下であるプロジェクトメンバー、そして相手(ベンダーならユーザー、ユーザーならベンダー)と利害がそれぞれ異なる3者をマネジメントする複雑な仕事だ。プロジェクトのスケジュールとコストを守らなければならない。しかし今のご時世、メンバーには残業を強制できない。さらに仕様変更などの要求も次々と来る。仕様変更を受けるにしろ、断るにしろ面倒な交渉が待ち受けている。

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