コロナ感染でお亡くなりになられた志村けんさんの最初で最後のドラマ出演となった朝の連続テレビ小説「エール」を観ていて興味深いシーンがあった。もちろん志村けんさんの登場シーンは必見の場面であるが、「おっ?」と思ったのは二階堂ふみが演じるヒロイン小山音(主人公の妻役)とその姉妹、そして母親役の薬師丸ひろ子の行動のシーンである。そのシーンとは「契約書の精読」である。

 最初に契約書のシーンがあったのは、子役が演じる音の少女時代である。父親が事故で急逝し、家業である馬具の大口納品先である陸軍との契約継続が危うくなったときだ。

 まだ小学生の音とその姉と妹の3人が「陸軍との契約書」を部屋中にひっくり返して見つけ、その内容を確認して「これだ!」と快哉する。その契約書には簡単には契約が切れず、もし契約を打ち切る場合には多額の違約金が支払われると書いてあったのだ。

 子供たちが探し当てた契約書を武器に、薬師丸ひろ子が陸軍との仲介者のいやらしい男をぎゃふんと言わせるのである。2度目の契約書シーンは主人公の古山裕一がレコード会社と契約したものの、泣かず飛ばずで「契約金は印税の前払いだから売れなかったら返済しなければならない」と脅かされたときだ。音はその話を聞くと今度はレコード会社との契約書に目を通す。すると「返済の義務は書かれていない」ことがわかって安堵する、というシーンだ。

 そう、契約書なのである。契約書のおかげで主人公やヒロインが経済的なピンチを脱するのである。

精査を法務部門などに「丸投げ」

 システムの調達の契約書の締結段階において、発注者であるユーザーはきちんと契約書の中身を確認しているだろうか。疑問に感じる状況にしばしば出くわす。

 システム導入のユーザー側の中心的役割であるプロジェクトマネージャーやリーダーが契約書をろくに読まずにその精査を法務部門などに「丸投げ」しているケースが散見されるのだ。

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