コンビニATMでの給付金受け取りなど、保険業務のデジタル変革に取り組む。機動的な業務遂行を狙いアジャイル手法を全社で採用、商品開発の高速化などに挑む。健康寿命の延伸をはじめとする社会課題の解決に向けてデジタル活用に注力する。

(聞き手=大和田 尚孝、西村 崇)

古出 真敏(こいで・まさとし)氏
1984年、東京大学法学部卒、同年日本長期信用銀行入行。米コーネル大学を卒業後、ニューヨーク州弁護士登録。1998年11月、アメリカンファミリー生命保険(現・アフラック生命保険)入社。執行役員などを務めた後、シティバンクなどを経て2008年12月、アフラック再入社。副社長などを経て2018年4月から現職。1960年生まれ。東京都出身。(写真:村田 和聡)
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2月4日に発表した2022年度までの中期経営戦略では「デジタルイノベーション」を全社で推進すると打ち出しました。

 デジタル技術が個人の生活や社会にもたらす変化に、企業としてきちんと対応していかなければならないという思いを込めました。中期経営戦略には「新たなガバナンス態勢のもとで機動的な業務運営の強化」など、4つの柱を掲げています。これら全てに関わるのがデジタルイノベーションです。

 AI(人工知能)や次世代通信の「5G」は、世の中を大きく変える革新的な技術です。現在はこれらが同時に実用化を迎え、当社の経営を取り巻く環境に大きな変化を起こしています。変化を新しい価値を創造できる成長の好機と捉え、中期経営戦略に組み込みました。

同戦略の前提となる国内の保険市場について現状をどう認識していますか。

 少子高齢化で人口が減少して死亡保障を中心とした伝統的な生命保険の市場は縮小する一方、当社が中核事業に据えるがんや医療保険などいわゆる第三分野の保険は伸びています。人生100年時代と言われ、病気やけがのリスク、働けなくなったときの保障へのニーズが高まっているからです。

 他社もこの分野へシフトしてきており、競争が激しくなっています。当社はがん保険のシェアトップで、日本で初めて介護保険を作るなど市場を切り開いてきたと自負しています。この強みを今後も伸ばしていきます。

巨大IT企業や新興のネット企業といったデジタルディスラプター(破壊者)にどう対抗しますか。

 2つあると思っています。1つは保険業界以外にも視野を広げること。企業だけでなく世の中の動きを広く見て経営戦略を練る必要があります。

 そこでこの2年ほど、経営陣が積極的に海外視察に出かけています。保険会社以外も含めて、欧米や東南アジアのデジタル先進企業を訪問してビジネスモデルを学んでいます。

海外視察で印象に残ったところは。

 国全体をデジタル化しようとしているエストニアは印象的でした。私は引っ越しの際、各社のネットで住所を変更しましたが、エストニアではネットで1回、変更すれば済みます。国が整えるデータ基盤に企業各社がアクセスできるからです。

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