サイボウズは2012年に副業を解禁し、社員の3割に副業経験があるとの調査結果もあるほど普及させた。同社を率いる青野慶久社長は本人の希望する時間帯や場所で働く「100人100通りの働き方」を進めてきた。働き方に応じて柔軟に見直せる給与制度とオープンな情報共有が成功のカギと語る。副業解禁は「いいことばかり」と話す青野社長が考える、会社と個人のあるべき関係を聞いた。

(聞き手は浅川 直輝=日経コンピュータ編集長、玉置 亮太=日経クロステック/日経コンピュータ、外薗 祐理子=日経クロステック/日経コンピュータ)

青野 慶久(あおの・よしひさ)氏
青野 慶久(あおの・よしひさ)氏
1994年大阪大学工学部卒業、松下電工(現パナソニック)入社。1997年8月松山市でサイボウズ設立。2005年4月から現職。1971年生まれ。愛媛県今治市出身。(写真:的野 弘路)
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2012年、他社に先駆けて副業を解禁しました。そのきっかけは。

 「副業したい」という社員が出てきたんですよ。最初は「競争の激しいIT業界で何をのんきなことを言っているんだ?」と思いました。しかし反対する理由が見つかりませんでした。

 例えば本業に支障が出たらどうするか。その場合、給料を下げればいいだけです。あるいは情報漏洩が起こったらどうするか。社員が副業をしているかに関係なく、情報が漏洩する可能性はあります。社員が忙しすぎて体を壊すのではないかという懸念もあるでしょう。では育児中の人はどうでしょうか。育児は会社の仕事以上にハードですが、育児は禁止できません。だったら健康管理上の懸念が副業を禁止する理由にもなりません。

 副業を禁止する理由が見つからず、認めてみようと思いました。やってみて何か問題が見つかればやめてもいいし、何か工夫して改善しようということで、恐る恐る解禁しました。

(写真:的野 弘路)
(写真:的野 弘路)
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「働き方改革」の機運が高まる前のことでした。

 当社は2005年に離職率が28%という暗黒時代を経験しました。それ以来、本人が希望する時間帯や場所で働く「100人100通りの働き方」を進めてきました。生産性が下がるかと取り組み当初は危惧しましたが、モチベーションが上がって離職率は下がりました。副業解禁も同じ流れにあります。

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