リユース商品の販売、買い取りを行う「BOOKOFF(ブックオフ)」はコロナ禍でも好調を保っている。それを支えるのがネットとリアル店舗を融合させる取り組みだ。システム担当役員を経てブックオフグループホールディングス社長となった堀内康隆氏に、デジタル戦略の中身や事業とシステムの将来構想を聞いた。

(聞き手は浅川 直輝=日経コンピュータ編集長、松浦 龍夫=日経クロステック/日経コンピュータ)

堀内 康隆(ほりうち・やすたか)氏
堀内 康隆(ほりうち・やすたか)氏
1976年生まれ。99年中央クーパース&ライブランドコンサルティング(当時)入社。トーマツコンサルティング(当時)を経て、2006年ブックオフコーポレーション入社。2017年4月に同社社長、2018年10月から現職。(写真:村田 和聡)
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新型コロナウイルス感染拡大の影響がある中でも2021年5月期の決算は好調でした。要因は何だったのでしょうか。

 ブックオフグループは国内のブックオフ事業、富裕層向け事業、海外事業の大きく3つで構成していまして、今回の決算では国内のブックオフ事業が堅調だったことで利益を確保したという状況です。

 国内のブックオフ事業では、コロナ禍の前からネットとリアル店舗を融合させていく「ひとつのBOOKOFF構想」という取り組みを進めていました。コロナ禍の影響はありましたが、この構想の中で進めてきたデジタル化が整ったタイミングだったことが成果につながったと思います。

 特にこの仕組みがうまく働き、売り上げや利益が大きく伸びたのは、地域のロードサイドにある中小型のブックオフ店舗でした。巣ごもり消費とも言われますが顧客はコロナ禍なのであまり遠出はしたくないという考えで、自宅の近くにある店舗にたくさんきてくださいました。

ブックオフの店舗は立地も大きさも様々で、向いているサービスも異なるのでは。

 はい、都市部や大型店舗に比べると品ぞろえには限界があるのが、これまでの中小型の店舗の課題でした。この課題を「ひとつのBOOKOFF構想」で導入したITシステムで克服できたのが大きかったです。

 例えばブックオフのWebサイトで購入した商品を送料無料で希望する店舗で受け取れるようにした仕組みです。これが来店につながり、来店時に不要になった書籍などを売ってもらうサイクルができていました。

 買い取りについてもデジタル化しました。店舗で長い時間待ちたくないという顧客の声を反映して、「キャッシュレス買取」というサービスを展開しています。買い取りの代金をブックオフのポイントやLINE Payなどの電子マネーでスマートフォンに送付するサービスです。代金を現金で受け取る必要が無いので、顧客は店舗に買い取り希望の商品を持ち込んで受付をしたら、査定結果を待たずに帰宅できます。

 ブックオフの利用シーンをもっと広げるという狙いで、2021年7月からはマンガや書籍をスマホ上の回数券で安く買える「ブックチケット」というサービスも始めています。現在はまだ一部の店舗でのトライアルの段階で、回数券を利用できるのは購入した店舗に限られますが、成果をみて会員サービスに取り込めるかを検討していきたいと考えています。

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