政府CIOに就任して2年超、「苦しかった」という新型コロナでのIT活用を踏まえ、「行政のデジタル化をなぜもっと速く進められなかったのか」と振り返る。行政サービス向上のため、データ連携とそのためのルールや基盤整備の必要性を説く。

(聞き手=浅川 直輝、外薗 祐理子)

三輪 昭尚(みわ・あきひさ)氏
1974年京都大学工学部卒業、大林組入社。1983年イリノイ工科大学大学院経営工学修士課程卒業、2004年大林USA社長。05年大林組執行役員。07年常務取締役原子力本部長、08年情報システム担当。10年取締役専務執行役員、18年顧問。18年7月から現職。(写真:村田 和聡)
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政府CIOに就任して2年超が経ちました。行政のデジタル化の観点から見て、どう振り返りますか。

 政府のIT戦略は方向性としては間違っていないと私は思っています。マイナンバーカードやGIGAスクール構想、各省庁のWeb会議システムの共通化や政府ネットワークの再構築などについて、新型コロナウイルスの感染拡大以前から議論を進めていました。課題は「なぜもっと早く進められなかったのか」です。

 私は今、政府のデジタル化に関する進捗状況の見える化に取り組んでいます。問題点を把握し、デジタル化のためにできることはデジタル庁発足を待たずに進めるつもりです。

COCOAなどの開発を支援

ITを活用した新型コロナ対策について、政府CIOや内閣官房IT総合戦略室(IT室)はどんな役割を果たしたのでしょう。

 以前から政府情報システムの一元的な管理を強化しています。全府省のシステム整備・運用プロジェクトを、予算の要求前から編成段階、執行段階まで年間を通して政府CIOの下で管理するということです。

 ただ、「HER-SYS(新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム)」や接触確認アプリ「COCOA」などは厚生労働省主導で緊急に開発する必要があったので、こうした一元的な管理下にあったとは言えません。

 IT室は「新型コロナ対策テックチーム」の事務局として、ITやデータを活用した解決策について技術的に支援しました。「G-MIS(新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム)」は厚労省と連携して開発を進めました。COCOAやHER-SYSの開発は政府CIO補佐官を派遣して支援しました。ただ、確かに苦しかったですね。

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