大手製造業の情報システム部門に勤務するAさん。業務システムの運用・保守を担当している。ある日の午後、上司から担当システムの仕様変更を唐突に言い渡され困惑する。

Aさん「え、この機能、仕様変更したんですか?変わってしまっているんですけれど……」

上司「ああ、先週、Bさん、Cさん(ともにベテラン)と立ち話して決めた」

Aさん「勝手に変えてもらっては困ります。他システムとのインターフェースに影響が……」

上司「この仕様がベストだよ! それに、いまさら言われても遅い」

Aさん「勝手に変えないでください。それに、変更の情報は事前にメンバーに共有してもらわなければ困ります」

上司「そんなの、その場にいないお前が悪いんだろう。情報は自分から取りに来い!」

Aさん「(もう、この職場無理。辞めたい……)」

 意思決定を、親しい人たちやベテランだけの立ち話の場で行う。重要な情報を他のメンバーには共有しない。このような「井戸端型」の意思決定や情報共有が平然と行われるレガシーなIT職場がいまだにある。今回は「井戸端型意思決定」スタイルを断罪する。

「井戸端型意思決定」から脱却できないレガシーIT職場の問題地図
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 「え、何が悪いの?」と思ったそこのあなた! とっても残念。大いに悔い改めてほしい。「井戸端型意思決定」スタイルは組織と個人の未来の成長を妨げる。

メンバーのモチベーションを下げる

 その場にいる人だけで、あるいは話が早いベテランたちだけで物事が決められてしまう。そこにいない人、その輪に入れない人からしたらたまったものではない。とりわけ、社歴の浅い若手や中途入社の人、協力会社のスタッフなどは蚊帳の外にされやすい。

 筆者も若手の頃、大手製造業のITシステム開発プロジェクトの現場で経験した。世代の近い、気の合うベテラン同士だけで勝手に盛り上がっているのである。廊下やタバコ部屋で、わいわいがやがや。「私(たち)にも情報共有してくれ」と言おうものなら、面倒くさそうな顔をする。

 「その場にいないお前が悪い」「君がそこにいなかったのだから仕方がない」と逆ギレする。

 このようなベテランは社会人、組織人、いや、人間としても最低である。

 「へえ、あなたたちだけで盛り上がって楽しそうでいいですね。ごきげんよう」

 こうしてチームメンバーの組織に対するエンゲージメントがどんどん下がる。仕事に対する積極性も主体性も奪われる。すなわち、チームビルディングにも影響する。

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