今回もIT鈍感度の高い経営者の問題を取り上げる。コロナ禍がきっかけとなり、日本においてもテレワークやリモートワークなど場所にとらわれない働き方やビジネスモデルが進みつつある。正しい問題意識を持つ企業は、そのようなデジタルワークシフトを遂げる。

 一方で、変われない組織はいまだに対面主義、アナログなやり方、あるいは「ひと昔前のデジタル」なやり方を正当化して変えようとしない。それでいいのか、日本の経営者、日本の企業。今回はそんなお話だ。

電話や水道を引くのに投資対効果を詰問するのか

 デジタルワークにシフトするには、オンラインミーティングツール、ビジネスチャット、オンラインストレージ、グループウエアなどいわゆるコミュニケーション基盤の整備が欠かせない。具体名を挙げるとZoom、Microsoft Teams、Slack、Chatwork、Facebookメッセンジャー、G Suite、Google ドライブ、サイボウズ ガルーンなどだ。

 コロナ禍においても、テレワーク併用体制で淡々と事業を継続できている企業、あるいはデジタルワークであるがゆえに生まれる新たなつながりを生かし、新しいビジネスモデルやサービスモデルを展開できている企業はこれらの新しいコミュニケーション基盤を当たり前のように活用している。かつてのビジネスパーソンが仕事をするのにペンやノートを使うがごとく、当たり前のようにこれらITツールを使いこなし業務を遂行しているのだ。

 一方、デジタルシフトができない企業はどうか?

 危機感を持った業務の担当者、あるいはIT職場の担当者はこう提案する。

 「当社もZoomやTeamsを入れましょう!」
 「Slackなどのビジネスチャットを使わせてください!」

 ところが次の瞬間、彼ら/彼女たちの善意や希望はものの見事に打ち砕かれる。

 「Zoom? Slack? 投資対効果は?」
 「メールがあるじゃないか。メールを使えばいいんだ!」
 「セキュリティーがさぁ……」

 経営層や部門長から「待った」の声、そして批判の嵐。経営者や部門長たるもの、新たな投資をするのに投資対効果を気にするのは理解できる。セキュリティーも大事である。

 しかしである。ZoomやSlackなどのコミュニケーション基盤にまで、投資対効果の細かな説明を執拗に求めるのはいかがなものか。

(出所:あまねキャリア工房)
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