桁数の多い値をそのままグラフにすると見にくく煩雑になる。その対処法として、値を切り捨てて単位を置き換え、その値をグラフに反映するやり方がある。
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今回の事例では40億円を超える売り上げを棒グラフで示している。グラフの元になっているのはA1:B6だ。ここでは、元のデータを残しつつ、現行のグラフを、億円を単位としたグラフに置き換えたい。
売り上げを億円単位に丸めるには、現在の売り上げを「100,000,000」で割れば良い。ただし今回は小数第2位まで表示して、百万円単位の数字まで表示する。
この場合、単純に「100,000,000」で割り算し、その結果を「ホーム」タブの「小数点位置上げ」ボタンで調整して、小数第2位まで表示する手がある。
ただ注意したいのは、このやり方だと10万円単位の値が四捨五入になる。そのため、値によっては本来の売り上げよりも大きな数字になる。少々大げさかもしれないが、これでは売上高の水増しになりかねない。企業の決算短信でも端数は切り捨てが標準だ。ここでも小数第3位以下(10万円以下)は切り捨てにしてしまおう。
小数点以下を切り捨てるのはINT関数を使うのが手っ取り早い。しかし、INT関数は桁数の指定ができず、無条件に小数点以下を切り捨ててしまう。そこでTRUNC関数かROUNDDOWN関数のいずれかを使うことになる。
関連記事 Excelで小数点以下「切り捨て」の扱い、関数によって微妙に振る舞いが違う今回は関数名の字数が少ないTRUNC関数を利用してみた。TRUNC関数の構造表と設定の手順は以下の通りだ。
=TRUNC(数値,桁数)
数値の小数部分を切り捨てて、整数または指定した桁数に変換する。
①数値 小数部に切り捨てする値を指定する。②桁数 省略可能。切り捨てを行ったあとの桁数を指定する。桁数の規定値は「0」になる。
結果に返った数字をよく見てもらいたい。2016年度の「4,182,352,000」は「41.82」で10万円単位が切り捨てになっている。10万円台は「3」だから、この場合四捨五入であっても同様の数値が返る。一方、2017年度の「4,327,860,000」を見ると「43.27」になっている。10万円台は「8」で、四捨五入だと繰り上がって、小数第2位は「8」になるだろう。しかし「7」のままなので、切り捨てが正常に働いていることが分かる。