業務システムのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を公開して、外部のシステムと連携できるようにすること。一般的には、銀行が自社のシステムのデータや機能をAPIとして、Fintech企業など外部事業者に公開する取り組みを指す。

 日本でオープンAPIの普及のきっかけとなったのは、2017年5月の銀行法改正だ。法改正では、電子送金と口座管理を担う「電子決済等代行業(電代業)」を定義し、Fintech企業の法的位置付けを明確にすると共に、銀行に対して2020年5月末までにオープンAPIへ対応するよう努力義務を課した。これを境にオープンAPIに取り組む銀行が増え始めた。

 オープンAPIの普及により、Fintech企業は自社のサービスを銀行口座と連携するのが容易になり、利用者の利便性を向上させることができる。例えばマネーフォワードの家計簿アプリ「マネーフォワード ME」は、銀行の入出金明細をAPIを介して自動で取得し、食費や光熱費などのカテゴリーに自動分類する機能を持つ。クレジットカードのシステムともオープンAPIの仕組みを使って連携し、カード決済履歴も取得できる。

 以前、Fintechのサービスと銀行口座の連携には、スクレイピングという手法が用いられていた。この場合は、利用者のインターネットバンキングのIDやパスワードをFintech企業が預かり、その情報を使ってFintechサービスが銀行システムへログインしデータを取得する。利用者が銀行口座のIDとパスワードを第三者に預ける形となるため、セキュリティー上の懸念が指摘されていた。オープンAPIで連携する場合、IDとパスワードを預ける必要はない。

 公開するAPIは参照系と更新系に大別できる。参照系は取引履歴や残高の確認など口座情報を参照するためのAPI、更新系は口座振替など資金移動が発生する取引を扱うAPIを指す。更新系APIは参照系APIに比べてセキュリティーリスクが高いとみる銀行も多く、公開に向けてのシステム整備などに時間が掛かっているのが現状だ。

金融サービス提供の門戸広がる

 オープンAPIの仕組みを使ったBaaS(Banking as a Service)に取り組む銀行も増えつつある。小売業など非金融事業者が顧客に対して、自前のサービスとして送金や融資、決済といった金融サービスを提供できるようにするものだ。

 例えば新生銀行は2020年3月から「BANKIT(バンキット)」というBaaSを提供している。2021年夏には、ファミリーマートがこのサービスを使い、スマートフォンアプリ「ファミペイ」で後払い、ローンといった金融サービスを提供する予定だ。GMOあおぞらネット銀行は「プラットフォーム銀行」というBaaSを運営し、参照系と更新系合わせて20種類以上のAPIを無償提供する。

 BaaSの登場によって、オープンAPIはFintech企業だけでなく、様々な業種の企業が利用できる仕組みとして普及が加速しそうだ。