金融サービス仲介法制は、銀行・証券・保険といった各分野の商品を横断的に取り扱える新サービスの実現を狙った法制度を指す。2020年1月に始まった通常国会で審議し、今国会で成立すれば2021年にも施行される見通しだ。施行されれば、「FinTechの動きを一層加速する」といった期待の声が出ている。

 金融サービス仲介法制では、業種の異なる金融機関が提供する商品やサービスをワンストップで提供できる「金融サービス仲介業(仮称)」を新たに設ける。

1つのライセンスで分野を横断した商品・サービスが取り扱い可能に
出所:金融審議会「決済法制及び金融サービス仲介法制に関するワーキング・グループ」第3回資料を基に日経FinTech作成
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 背景には、スマートフォンを起点にした金融商品やサービスの広がりがある。スマホアプリで自分の預金口座の残高や収支を把握し、その状況を基に融資や保険といった商品を手軽に購入したいといった利用者のニーズへの対応を狙う。

 現行制度は規制が縦割りで、横断的な金融サービスを提供しにくい。銀行における「銀行代理業者」など業種ごとに規制が存在しており、複数業種にまたがる仲介サービスを手掛けようとすると、業種ごとに登録する必要がある。金融サービス仲介法制は業種ごとの登録を受けなくても、複数業種の商品やサービスをワンストップで仲介できるようにする。取り扱える商品やサービスは限定し、財務面に規制をかけるといった方法で利用者保護を図る方針だ。

 業務範囲は、預金などの受け入れ、資金の貸し付け、為替取引に関する仲介、有価証券の売買などに関する仲介、保険契約の仲介となる。ここで言う「仲介」は、仲介業者が金融機関や顧客に代わって取引を成立させる「代理」を含まず、あくまで顧客と金融機関との「媒介」のみを認めている。金融商品販売法の改正に加えて、銀行法や金融商品取引法など業法の改正で対応する公算が大きい。