スタートアップビザとは、自治体から支援を受けて日本で起業準備を進める外国人起業家に、最長1年間の入国・在留を認める制度を指す。世界に通用する国際的な起業活動の拠点を国内に整備するのが目的だ。経済産業省の「外国人起業活動促進事業に関する告示」(2018年12月28日施行)に基づいて運用する。

 現在、外国人起業活動促進事業を活用している自治体は、認定順に福岡市と愛知県、岐阜県、神戸市、大阪市、三重県、北海道、茨城県、大分県、京都府、東京都渋谷区の11自治体である。

京都や茨城で認定事例も

 スタートアップビザの認定事例も出てきた。例えば京都府は、小規模飲食店向けオーダーアプリ「funfo(ファンフォ)」の開発を進める台湾人に対し、2020年9月から起業準備を手助けしている。茨城県は同年10月から、宇宙ロケットの有人飛行を目指すオーストラリア人の起業準備を支援している。

 外国人起業家が日本で法人を経営・管理するには、在留資格「経営・管理」が必要となる。同資格の認定を受けるには、日本に事務所を開設するほか、常勤職員を2人以上雇用するか、資本金または出資の総額が500万円以上であることなどが求められる。国家戦略特区の規制緩和により、一部の自治体では6カ月後までに在留資格の基準をクリアする見込みがある場合は入国を認めている。それでも、外国人起業家には日本で起業するハードルが高かった。

 スタートアップビザの利点は、起業準備のために最長1年間と長く在留できることだ。余裕をもって、事務所の開設や従業員の採用などの起業準備を進められる。

 この制度を活用して都道府県や市区町村が外国人起業家を招くには、「外国人起業活動管理支援計画(管理・支援プログラム)」を作成し、経済産業大臣から認定を受ける必要がある。認定を受けるには、(1)起業活動に関する起業家からの相談に応じる体制、(2)起業家の起業準備活動が確実に実施されるようにする措置、(3)起業準備活動が継続困難になった場合に起業家の帰国が確保できること、(4)国内産業の国際競争力の強化などに資すること――などが求められる。

 制度の運用手順は次の通りだ。外国人起業家による「起業準備活動計画」の提出を受けた自治体が、1年以内に起業の見込みがあるなどの要件を満たすかを審査する。審査に合格した場合は外国人起業家に「起業準備活動計画確認証明書」を交付。外国人起業家はこの証明書を地方出入国在留管理局に提出する。同管理局から認められれば「特定活動」の在留資格を付与され、日本国内で自治体の支援を受けながら起業準備を進められる。

 外国人起業家は6カ月後に起業準備活動計画を更新し、改めて自治体の審査を受ける必要がある。自治体の審査を経て特定活動の在留資格が改めて付与される。一連の起業準備の結果、経営・管理の在留資格の要件を満たした場合、地方出入国在留管理局が同資格を付与する。