ネットワーク経由で異なるパソコン同士を接続したうえで、遠隔で操作できるようにするリモート接続サービスの1つ。遠隔地にあるパソコンのデスクトップ画面を手元のパソコンへ転送したり、手元のパソコンのキーボードやマウスを使って遠隔地のパソコンを操作したりできる。

 2020年春、新型コロナウイルス対策として多くの企業が在宅勤務の導入に踏み切った。その際、自宅にあるパソコンから社員が会社にあるパソコンを遠隔で操作できるようにする手段として注目が集まっている。

 注目が集まる背景には、他のリモート接続の手段に比べて導入しやすいことがある。リモート・デスクトップ・サービスの多くはクラウドで提供されている。VPN(仮想私設網)などを利用しなくてもセキュリティーを確保でき、専用のサーバーや機器を用意する手間がかからない。

 接続元と接続先それぞれのパソコンに専用ソフトウエアをインストールする。Webサイトの閲覧などに使われているHTTPSプロトコルなどを利用するため、プロトコル設定などの手間も不要だ。利用料金は1ユーザー当たり月額1000円前後からで、申し込んだその日から利用できるサービスもある。

 多くのサービスでは、接続先のパソコンと接続元のパソコンが異なるOSを搭載していても遠隔で操作できるようにしている。例えばWindowsを搭載する会社のパソコンを、自宅にあるmacOSパソコンから遠隔操作するといった具合だ。接続元の端末にスマートフォンやタブレット端末を選べるようにしているサービスも少なくない。Windowsパソコンを社外からiPhoneで遠隔操作するといったことが可能になる。

 情報セキュリティー面でも利点がある。会社のパソコンの画面だけを自宅のパソコンに転送する仕組みだったり、会社のパソコンから自宅のパソコンにファイルをダウンロードできなくするといった管理機能を備えていたりする。これにより自宅のパソコンからの情報漏洩を未然に防ぐことができる。

使い始めには通信環境の確認が必須

 企業がリモート・デスクトップ・サービスを利用する際には、会社と自宅の通信環境をあらかじめ確認しておくのが大切だ。特にサービスを同時利用する社員が多い場合、会社側のインターネット回線の帯域が十分かどうか確かめておく。十分に確保できていない場合は、帯域を増やしたり同時利用する社員数を絞ったりする措置が必要だ。

 さらにスイッチングハブなど社内の機器が高速通信に対応していないといった理由で、会社のパソコンからファイアウオールまでの社内ネットワークがボトルネックになるケースがある。サービスを支障なく利用できるか念のため確認しておく。

 自宅の通信環境についてもインターネット回線の帯域が十分かどうかを確かめる。インターネットをモバイル環境で使っている場合、より高速な有線に切り替えるといった対策が必要になるケースがある。