マルチキャストはIPの通信方式の一種で、特定のグループに所属する複数の端末に対して同じパケットを送るときに使う。1台の端末から多数の端末に一斉にパケットを送る1対多の通信方式である。これに対し、1台の端末同士が通信する1対1の通信方式はユニキャストと呼ばれる(PICT1)。

PICT1●低い負荷で複数のユーザーにデータを送れる
(イラスト:なかがわ みさこ)
[画像のクリックで拡大表示]

 マルチキャストは映像や音声の配信など、多数の端末に同じデータを届ける場合に適している。またIPv6ではアドレスの自動割り当てなどの重要な制御通信にもマルチキャストが活躍している。

サーバーやルーターの負荷が低い

 マルチキャストがユニキャストと大きく異なるのはパケットの転送方法である。ユニキャストで多数の端末宛てにパケットを届ける場合、端末ごとにパケットを送る必要がある。大量のパケットを送る動画配信などでは、サーバーやルーターに高い負荷がかかってしまう。これに対し、マルチキャストは途中のルーターが必要な分のパケットをコピーして転送するので、送信元はパケットを1つ送るだけでよい。このため、サーバーやルーターの負荷を低くできる。

 1対多の通信方式には、ブロードキャストもある。1つのセグメント(ブロードキャストドメイン)につながる全端末にパケットを届ける方式だ。不必要な端末にもパケットが届いてしまうので、ネットワークの帯域が無駄となり、端末にも負荷をかけてしまう。またルーターを越えられないので、広範囲での1対多通信はできない。一方のマルチキャストは、必要な端末だけにパケットを届けられるとともに、ルーターを越えて広範囲で1対多通信を実現できる。

この先は日経クロステック Active会員の登録が必要です

日経クロステック Activeは、IT/製造/建設各分野にかかわる企業向け製品・サービスについて、選択や導入を支援する情報サイトです。製品・サービス情報、導入事例などのコンテンツを多数掲載しています。初めてご覧になる際には、会員登録(無料)をお願いいたします。