本連載ではITR(アイ・ティ・アール)が実施した「IT投資動向調査」を担当アナリストが読み解き、国内企業のIT投資の現状や重視するIT戦略、投資拡大が見込まれる有望な製品・サービスの動向を解説している。

 第5回となる今回も、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて2020年4月下旬に実施した緊急調査の結果(有効回答数1370件)を取り上げた。調査結果から見えた、IT製品・サービスへの投資に対する変化を解説する。

(出所:123RF)

業務に潜む非効率性が浮き彫りに

 過去2回で述べたように、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大を受け、多くの企業が“緊急措置”としてテレワークに関連する施策を実施した。調査結果では「テレワーク制度の導入」(37%)、「リモートアクセス環境の新規・追加導入」(27%)、「コミュニケーション・ツールの新規・追加導入」(26%)、「PC、モバイルデバイスの追加購入・新規購入」(25%)が「緊急措置として実施し、完了」した施策として上位に並んだ。

 緊急措置に続く“今後の計画”としては、ペーパーレス化や「脱ハンコ」に関わる項目の選択率が高い結果となった。今後の施策に、「社内文書(申請書など)の電子化対象拡大」と「社外取引文書(契約書など)の電子化対象拡大」を選んだ企業が36%と最多となった。

 背景には、多くの企業で社内文書のハンコによる承認や取引先との契約書などの印刷・押印・郵送のために、コロナ禍にもかかわらず出社を余儀なくされた現場担当者から、不満や矛盾を指摘する声が高まったことがある。当たり前のように遂行してきた業務に潜む非効率性が浮き彫りになり、それが企業の電子化ニーズの急速な高まりにつながったといえる。

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