本連載では、ITR(アイ・ティ・アール)が実施した「IT投資動向調査」を担当アナリストが読み解き、国内企業のIT投資の現状や重視するIT戦略、投資拡大が見込まれる有望な製品・サービスの動向を解説している。

 第6回となる今回からは、個別のIT製品/サービス分野の投資動向について、2019年の投資動向調査の結果と、2020年の新型コロナウイルス感染拡大後に実施した調査結果を引きながら、それらがどのように変化しているかを分析したい。今回は、コロナ禍によって再注目されている「情報系システム」の動向に焦点を当てる。

(出所:123RF)

コロナ禍で進んだ「働き方の変化」

 ITRのIT投資動向調査では、システム(アプリケーション)分野を2つに分けて、その動向を定点観測している。(1)業務プロセスを直接的に支援する「業務系」と、(2)業務系の周辺でコミュニケーションやコラボレーション、文書管理、データ分析などの汎用的な業務を支援する「情報系」――である。

 情報系システムは、かつては企業の間で「Nice to have(あったらよいもの)」と捉えられ、投資の優先度が「Must have(必要不可欠なもの)」である業務系システムよりも相対的に低くなる傾向が見られた。だが、コロナ禍によって人の移動や接触が大幅に制限されたことにより、そうした従来の価値観が大きく転換したといえる。

 図1に示したのは、2019年8~9月に実施した「IT投資動向調査」における情報系システムに対する投資意欲の結果と、コロナ禍による緊急事態宣言期間中の2020年4月に実施した調査結果とを対比させたものである。

図1●情報系システムに対する投資意欲の変化
出典:ITR「IT投資動向調査2020」/「コロナ禍の企業IT動向に関する影響調査」
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