本連載では、ITR(アイ・ティ・アール)が実施した「IT投資動向調査」を担当アナリストが読み解き、国内企業のIT投資の現状や重視するIT戦略、投資拡大が見込まれる有望な製品・サービスの動向を解説してきた。

 最終回となる今回も、2019年の投資動向調査の結果と2020年の新型コロナウイルス感染拡大後に実施した調査結果を比べ、個別のIT製品/サービス分野への投資がどのように変化しているかを分析する。今回は、セキュリティ分野の動向に焦点を当てる。

(出所:123RF)

コロナ禍で企業が導入を急いだ「電子署名」と「情報漏洩対策」

 ITRはIT投資動向調査で、IT製品・サービスを110項目に分類している。このうち「セキュリティ」分野には、17項目が該当する。

 具体的には、「ファイアウォール」「IPS/IDS(Intrusion Prevention System / Intrusion Detection System)」「サンドボックス」などのゲートウエイ系セキュリティのほか、「ID管理」「DLP/IRM(Data Loss Prevention / Information Rights Management)」などのサーバー系セキュリティ、そして「マルウエア対策」「EDR(Endpoint Detection and Response)」「暗号化」などのエンドポイント系セキュリティといった領域がある。同調査では、導入済みの企業には「投資額の増減」を、未導入の企業には「新規導入の可能性」を聞いている。

 図1は、セキュリティ分野の製品・サービスへの投資意欲について2019年8~9月に実施した「IT投資動向調査」(左)と、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言期間中の2020年4月に実施した調査(右)の結果を対比させたものである。

 IT投資動向調査では、17の製品・サービスについて「導入済であり投資を拡充」と「2020年に新規導入予定」という状況を聞いている。これに対して、2020年4月の調査では、コロナ禍後に注目度の高まった4項目(具体的には、「電子署名/タイムスタンプ」「情報漏洩対策(IRM/DLP、暗号化など)」「マルウエア対策(EDRなど)」「生体認証/多要素認証」をピックアップし、その投資状況(「追加投資を実施」「新規導入を実施」)を確認した。

図1●セキュリティ分野における投資意欲の変化(コロナ禍の影響)
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