最後に取り上げる「やってはいけない」は、数年前に導入した無線LAN環境をそのまま運用していたという事例だ。無線LANは、ここ10年で企業に急速に普及した。それと並行して利用形態や通信規格などがめまぐるしく変わった。ただこの事例ではユーザーの不満がなかったことから、管理者は導入時のシステムのまま運用していた。これがトラブルに発展した。

無線LANを利用できない

 ある製造業の企業では、本社と工場が同じ敷地内にあり、有線LANで1つのネットワークを構成していた。本社にある共用サーバーには、工場のパソコンからもアクセスできるようにしていた。

 この企業には、本社のほかにも拠点がある。そこの従業員が本社を訪れてネットワークにつなぐための無線LANを数年前に導入していた。利用する人数が少ないので、アクセスポイントだけを追加し、IPアドレスの管理には既存のDHCPサーバーを利用していた。

 あるとき他拠点から本社に来た従業員が無線LANを使えないとシステム管理者に連絡してきた。インターネットや共用サーバーにアクセスできないという。

本社以外の従業員が無線LANを使えないトラブルが発生
本社を訪れた別拠点の従業員が無線LANを使えなかった。
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 管理者はまず、本社のアクセスポイントを再起動し、有線LANでつないでいた自身のパソコンが無線LAN経由でつながるかどうかを確かめた。しかしつながらなかった。

DHCPサーバーのIPアドレスが枯渇していた
工場のアクセスポイントを試してみたり、アクセスポイントに有線で接続してみたりしたが、どうやってもネットワークに接続できなかった。原因は無線LANではなくDHCPサーバーにあった。
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 試しに工場に出向いて、工場のアクセスポイント経由でアクセスを試みた。それでもつながらなかった。

 今度はパソコンを本社のアクセスポイントにケーブルでつないで試したが、結果は変わらなかった。これで原因は無線LANの電波ではないと判断し、別の原因を探し始めた。

 アクセスポイント経由でネットワークにつながっている従業員がいたので、その従業員が接続した時間をDHCPサーバーで確認した。すると、無線LANで割り当てるIPアドレスの在庫がないことに気づいた。

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